友達に誘われて、渋谷にある「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を体験してきた。
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、まっくらやみのエンターテイメント。

8人のグループで、光の全くない会場を、白い杖一本もって探検する。
そこには必ず一人「アテンド」がついて、ガイドをしてくれる。

もうこのアテンドの方が素晴らしい!。
わかりやすい説明、話し方に、楽しいトーク(時に、ジャングルクルーズのよう)。
そして、ものすごく細やかな気配り。
真っ暗闇なのに!!まるで私たちの動きがみえているかのように!!

・・・それもそのはず・・・
アテンドを担っているのは「全盲」の方たちなのだ。

真っ暗闇のなかでも安心して楽しむことができるのは、「暗闇のスペシャリスト」が一緒だから。
実に頼もしい存在だった。


さて、真っ暗闇の中で、私は実にいろいろなことを感じた。

まずは、視覚が使えないことで、他の感覚が冴えてくるということ。
私がまず一番気になったのは「音」。
会場に虫や水の効果音はあるが、音楽は流れていない。
あとは人の声だけ。
それなのに、最初とってもうるさく感じた。
いろんな音がすべて雑多に入ってくる。
私たちは普段、聞きたい音のほうを見て、そこに集中し、他のいらない音を遮断している。無意識に。
でも、視覚がないから、とにかく全部耳に入ってくる。
もちろん、聞きたい音のほうに意識を集中することはできるが、まずはいったん耳に入れてからふるいにかけなきゃいけないわけだ。

これが、とにかくうるさい!(笑)

自閉症の人たちが、耳をふさぐ気持ちがすごくよくわかった。
聴覚が過敏って、こういうことなんだと思った。
すごく不快!!(苦笑)

これから行く方のために詳細は伏せますが、いろいろ楽しいものがあって他の方がまるで子どもに帰ったように楽しくはしゃいでいる様子を、ちょっと離れたところで眺めて、いや聞いていた私とお友達。
「楽しそうだね~。でもこうして楽しそうなのを聞いているのも楽しいね」
「一緒に遊んでなくても楽しいのって、こういう気分なんだね」
と、自分の子どもたちのことも実感として理解できた気がした。

そして、自分の感覚に意識を向けると、思考は内側に入っていくのだ。
だから、障害をもった人たちが自分の世界に入りやすいというのも、なんだかわかる気がした。

内側に入っていくという点で、コーチングにも似ていると感じた。
自分の内側に生まれた感情や感覚を味わっていました。

なんとも不思議な体験。
カルチャーショックだった。

体験を終えた後は、みんなでちょっと明るいお部屋でお話タイム。
アテンドの「ちくわさん」に興味深いお話をたくさんしていただいた。
もっとゆっくりちくわさんのお話聞きたかったなぁと思った。

チケットは5000円と割高感があるが、絶対お勧め!
興味のある方は、是非!
HPはこちら




運営は、NPO法人がしている。
障がい理解はもちろんだが、視覚障害者の雇用促進の意味もあるそうだ。
クオリティを維持するために、常に努力をしているらしい。
受付などには健常者の方もいて、視覚障害の方もそうでない方も分け隔てなくとても楽しく仲良くお仕事されているのがよく伝わってきた。
大変居心地のよい場所だった。

今度は子どもも連れて行きたいなと思った。