定置網漁の魚を仕分けていると板長から
「この鯖をフライ用に開いて置いて下さい」
との指示を受けました。
その日によって定食に付くフライは鯖であったり鯵であったり、または大和カマスであったりします。


毎日そのフライ用の魚は吾輩が捌くことが多いのですが、今回受け取った鯖は66尾とすこし少なめでした。
板長はまだ仕分けを手伝っているので、その作業が終わらないうちに鯖を開いてしまおうと時間を計ってみました…

結果は62分と、1尾を開くのに1分をきりました。

修行二ヶ月目の頃、鯖40尾開くのに60分を要していたことを思えば随分成長しました。
  
仕分け中の板長のところへ
「終わりました」
と、報告へ行きました。
気分も軽く…

やがて板長が店に戻って来た時に、1尾を開くのに1分をきったことを伝えると
「じゃあ俺が1尾にどれぐらいかかるか、計ってみて下さい」
という、意外な展開になりました。

板長の結果は28秒でした。

「さすがに早い…」
と思いながら、まな板をのぞくと…
捌いていたのは鯖ではなく、大和カマスではありませんか。
カマスの場合は鯖よりもひと手間かかりますから、それで30秒をきるとかスゴすぎます!

マグロの解体ショーが世間にうけた頃がありましたが、板長の包丁捌きも公開すれば拍手喝采であることは間違いないですね。

吾輩がこの歳から何年魚を捌き続けても、到達出来るものではないところにいらっしゃいます。
 
ここで修行させて 頂けていることを、あらためて有難いと思った瞬間でもありました。



はい、左様なり♪