宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

続けて「シャイダー」です。

森永奈緒美・アニー復活!というのが話題を浚っているようですが(でもない?)、あくまで主役は2代目シャイダー烏丸舟であり、いやさ宇宙刑事タミーである!

シャイダーよりパートナーの女宇宙刑事の方が活躍する!という事自体が旧作へのリスペクトな訳ですが、よく見ると(?)ちゃんと主役はシャイダーだという事も分かります。これも旧作通りです。

それでも森永アニーに「ろくでなし」と言われるぐらい初代シャイダーとキャラが違う舟。それでも岩永洋昭さんにとっては一番のハマリ役なのでは?と思わせます。
子供番組の枠を取り払った為に誕生した、究極の坂本浩一演出ヒーローとも言えるかもしれません。

烏丸舟の男らしさ(笑)は現代の植物化した地球人に渇を入れてくれる気がします。

そして観た人誰もが好きになってしまうという宇宙刑事タミー。アニーもびっくりの超パンチラアクションに継ぐパンモロアクション。カメラに向かってキック!カメラを飛び越え!「見せる」事を前提としたゴーカイなアクションも、極真空手有段者である川本まゆさんにより、説得力のあるもの(?)になってます。

全身を使って感情を表現する川本さん、天真爛漫でやる事はちゃめちゃだけど憎めないタミーを本当に好演。タミーという名前は実は宇宙刑事シリーズ(というか上原脚本)には縁深い「民子(という名前)」から来ているのではないかな、と。

森永さんも適材適所な場面でしっかり存在感を示し、役回りは別にアニーでなくても成立するけど、沢村大への想いなど、彼女の台詞すべてが、胸に突き刺さるものでした。
アニーがシャイダーを「大」と呼ぶのはえらい違和感でしたが…

他にも「アオガキ隊(笑)」や不思議時空を意識した演出が散りばめられ、まさしく「シャイダー」を観た気分に、幸せな気分になれます。

そしてノスタルジーだけではなく、新たな特撮ヒーローの誕生だとも言えると思います。

「シャリバン」も「シャイダー」もそれぞれのシリーズとして続いて欲しいと切に思います。

そして最後にもうひとつ、「これで僕がやる事は本当になくなった!」

別に宇宙刑事シリーズをやりたかった、とかそんな大それた事は言ってないですが、「特撮ヒロインもの」としても本作で僕がやりたかった事、観たかったものは、「ほぼ」実現していると思います。

戦隊、ライダーそれぞれで代表作を作り、「白魔女学園」や「009ノ1」などでヒロインものを極め
こうして宇宙刑事シリーズをも見事に新生され、今また新たなウルトラマンを撮られている、偉大すぎる坂本浩一監督に、ただただ脱帽、羨望、感謝であります。

坂本浩一は何より特撮ドラマの「リズム」を変えた。
当時斬新だった宇宙刑事シリーズのリズムでさえ、変えた。

これからも日本の特撮シーンをお願いします。