小学3年生まで住んでいた団地を引っ越して、新しい家(とは言っても中古住宅)には部屋数がそれなりにあったので子供部屋があてがわれた。
それまで住んでいたのは6畳と4畳半の二間に家族4人。
当然子供部屋などあろうはずもない。
それが二間つづきの広い部屋を弟と2人で子供部屋として使うことになった。
新しい12畳の空間はこれまでの小さな空間を最大限有効活用して暮らしていた日常からは子供ながらに途方もなく広く感じた。
暫くしてやんちゃな弟は両親の監視下に近い場所(キッチン)の一角に勉強机を移送され、私は広い部屋を一人で占有する事になった。
但しこれは喜ばしい事ではなく、当時の私には寂しさを増長する以外何物でもなかった。
四角い積み木を組み合わせたようなブロックづくりの家だったので部屋の前には自分の部屋よりも広いベランダがあった。
(中古住宅更にブロックの家だったのでその後雨漏りに悩まされることになる。)
高校生になるとオーディオ熱が上がり、親を説得してオーディオシステムを買って貰った。
(当時はマイカーブームの真っ最中だったので車の部品を作る下請会社で働く両親は生涯で一番羽振りがいい時期でもあった。)
小学生から浪人までこの部屋で過ごした10年間が私の書斎熱の原点のような気がする。