バラエティに富んだ一日。

 最近の休みはこういう具合が多い気がする。

**********

 朝は、おなじみパーラーへ。なんか朝っぱらから取材が入っている中で食事を取り、食パンを始めたくさんのパンを購入。

 ちなみに食事はキッシュと沖縄ぜんざいです。沖縄ぜんざい、素晴らしく美味いのだよな、ここの。
$C O H-パーラー
 とまぁ、この他にベーグルを買うという、相変わらずの買い過ぎ。しかもタルトも買ったな、そういえば。

 タルトはプラムでした。酸っぱくて、でも周りが甘くって、最高。

 ハード系はいつものように、くるみやイチジク、ブルーチーズ、ドライトマトのコンプレなどが中心。

 ハードなパンは苦手って方も、やはり日本では多い気がしますが、このパーラーのを食べるとちょっとイメージ変わるんじゃないかと思うんですけれどもねぇ。

 パサパサしないし、味わい深いし、素直に「良い味だなぁ」と思ってしまうパン達。

 でもでも、一番はやっぱり食パンです、本当に最高。

 食パンもいろんなところを試してますが、パーラーが一番。バリっとモチっと噛みごたえあるレーズン酵母ものも、ふんわり優しい角形も、どちらも素晴らしい出来。

 どうぞ一度は、パーラー江古田へ。

**********

 午前中は仕事へ。

 そして昼から午後にかけては、かつての職の関係の方々に挨拶と、そしてお昼を交えつつ会合。

 こういう感じは、ずっと続けていきたいところ。

 いつどこで、どうお世話になるか分からないし、いつどこで、どう役に立てるかもしれないし。

**********

 そして伊勢丹へ。

 波佐見わくすいの展示を見に行ったのですが、うんまぁ、既視感の強いモノが多く改めて良いよねとは思えど、買うに至らず。

 そのかわり、ステージ♯5にて。
$C O H-グラデーション
 これ、何なんだろ、用途は(笑)。

 キャンドル入れ……にしては微妙なサイジングにも見えるし、器にしては表地がペンキ塗りだし……んー。

 ガラスの容器に、ペンキが塗ってあります。その風合いがなかなか面白いので買ったのですが。

 色が6色グラデーションであったので、悩みましたよねー。結果、ホワイト、ライトグレー、チャコールというチョイス。

 んー、手頃だたから全部いっとけば良かったかな。
$C O H-ソムリエナイフ
 そしてコレも。ステンレスのソムリエナイフ。

 いえ、ライヨールのぎっちりしたスタミナウッドのものも持っているのですが、ステンレスの具合が欲しかったので。かといって、ライヨールでいくとかなりお値段も張るので、それは今回は遠慮しておこうと。

 これはとってもお手頃でした。単純だし、素材も高くないし、そりゃそうか。でも、綺麗。

 でも正直、「スクリューキャップのワインって、すっごい楽でいいよね」とか思って、結構飲んでいるのは秘密です。

**********

 さて、今日も文章を少し。

 『再会』

 「さてと、どこからどう、話そうか?」

 僕はゆっくりと、ハンドドリップでコーヒーを淹れながら言葉を紡ぐ。決まって思うのだけれど、畏まって無口に淹れるよりも、少しばかりリラックスをして愉しみながら淹れる方が、とても優しいコーヒーになる。

 「君は、変わったよ。いや、姿形の話をしてるんじゃない。佇まいや心持ちという意味で、だ。幾分、話し方も変わったのかもしれないね。随分と壁が無くなってきた。あるいは、境界線が」

 久しぶりの声だな、と僕は思う。この声を最後に聞いたのはいつのことだったか、はっきりしない。でも少なくとも、軽く一年は経過しているように思える。

 一年。僕らの生きてきた時間や、これから過ごす時間を思えば、なんてことのない長さでもある。されど、一年。この長さの時間があれば、いろいろなことが出来る、変わる事だってある。

 例えば、食べ物。今でもあの頃と変わらず甘いモノは好きだし、鶏肉もジャガイモも好きだけれど、いつの間にか香草を愛するようになった。

 例えば、行動範囲。代官山や青山が楽だと感じるのはもちろんだけれど、気がつけば地方に対する憧れが強くなった。

 例えば、心。だから、またここに彼がいる。

 「それはつまり、僕が似てきたという事なのかな。その辺はよく分からないけれど、そちらが変わるということは、きっとないのだろうから」

 そう、彼は変わらない。いわば恒久的な存在だからだ。いつぞや、明らかに弱くなり、あからさまに薄くなったことはあっても、彼自身の何かが変わったわけではなかった。彼はあくまでも彼として目の前に存在し、彼は彼として目の前から去っていった。

 「イエスとも、ノーとも言えない。君の変化に対して是非を言うことは出来ないし、言うつもりもないからね。ただ、事実を述べているだけだ。君は、確かに、変わった」

 相変わらずだな、と僕は思う。

 「そうだね、僕は変わったかもしれない。いいよ、もうそれは。ところで僕は、どうすべきなのかな?」

 はぁ、と彼が溜め息をこぼす。僕は身を固める。彼の溜め息は決して良い兆候ではない。彼が溜め息を吐くのはいつだって、怒っている。

 「すまなかったね、君は変わってない。君は、何一つとして、変わってない。何一つね」

 「そうだね、だからこうしてここにいるんじゃないのかな?」

 「あぁ、そうだよ、ここにいる。それだって、何一つとして変わらない。正直にいうよ、がっかりした。とても、非常に、完璧にがっかりした。そうだろう? あれからどれだけ時が流れていると思う? 君は何をしていたんだよ。きっと、何をどうしたいのかも、分かっていないんだろう?」

 その通りだ、と僕は思う。確かに今、抱えている何かはあるとしても、それをどうしたいのかと言われると実感がわかない。

 「うん、分からない。心にあるこのモヤモヤをどうしたいのか、分からない。面倒をかけたね。好きなだけ、そうしてくれればいい。消える事も無い。僕は僕で、考えてみるよ。そうしたらまた、話す」

 嘘は無い。僕は考えるしかないのだ。彼が何をどう言ったところで、多くの事柄について、そして一番重要な何かについて考えるしかないのだ。仮にそれでどこかにたどり着かないとしても、他に無いのだ。

 考える。

 僕は、総てを声に出したい、と思った。

 僕は、総てを彼女に届けたい、と思った。

 僕は、総てを喜びに変えたい、と思った。

 「君は今、すごく意味のあることをしている。冷たかったかもしれない、厳しかったかもしれない、あるいは単純に失礼だったかもしれない。でも結果的にそれは良かったかもしれないね。君は今、すごく意味のあることをしている」

 彼がこんな風に繰り返すのは、珍しいことだ。これでいいんだ、と僕は思う。正しいかどうかはともかくとして、これで間違ってはいないのだ。

 「とりあえず、ここを去るよ。君を、見守る。それが義務だからね。うまく何かを出来るときに、話してくれれば良い。それまで、もう何も言わない」

 彼は、僕を見ようとしない。彼が、薄くなっている。

 どうなるのだろう、と想いを馳せる。

 月が、僕を照らしている。

**********

 さて。

 暑い日々が続きます。

 海。

 その前に、ビールですね。     arlequin