しばらく前に購入し読了しましたので概略と簡単な書評を書きます。

 

タイトルは今川氏滅亡なので、今川氏真の話がメインのような印象を受けますが、今川氏親前は簡単に、氏親以後は本格的に取り上げられています。

 

もちろん、今川義元が当主の地位につく花蔵の乱についても詳述されています。

この点も含め、興味深い点について書いてみます。

 

1.福島氏 

遠州国衆マニアの私にとって嬉しいことに、花蔵の乱に関連して福島(くしま)氏についても詳述されています。

 

特に、福島十郎左衛門助昌が、別人(多分先代と次代)が同じ名前をつかっているであろう話や福島十郎左衛門と小笠原十郎左衛門は同じ人物であろうとの話は、「高天神衆 福島十郎左衛門」をブログに書いたこともあり、非常に興味深く読ませてもらいました。

 

なお、福島氏については個人的に別の資料を見つけたので、3人目の福島十郎左衛門について別途記事を書く予定です。(2018/6/30 福島十郎左衛門の資料だと思ったのは勘違いでした。福島(くしま)氏かどうかも怪しい、、、、が、それ自体で興味深い話なのでやっぱり書きます)


2.遠州西郷氏

同じく遠州国衆マニアには嬉しい記述です。三河西郷氏が徳川(後の)についたのに対し、遠州西郷氏は今川方についています。関係文書の中に氏真が今川方につく傍流を支援した旨の記述があり、揺れる国衆を操るために分裂した家中に手を突っ込んでいる様子が伺えます。

 

3.今川氏真について

氏真についての評価は好意的です(もっとも掛川城退場で終わっています)。三浦右衛門佐についてもそれほど悪評を記載していません。個人的には、家系図に恨み骨髄で書かれた話が複数ある三浦右衛門佐の悪評は過小評価されているように思いますが。