PCR検査を受けたいのに!
微熱が続いている。
今日でもう20日間。
寝起き時は大体36.8℃くらいだが、
それ以降3時間おきに測っていると、
37.0~37.8辺りを行ったり来たりしている。
日に日に最高体温がじわりじわりと上がってきていた。
最初は朝起きた時の喉の痛みだった。
喉の左側だけがちくりと痛かった。
熱を測ったら微熱だった。
咳が出なくともコロナに感染していたということもある……って聞くから、
もしかしてっ!? とビビった。
幸い喉の痛みは翌日には消えたのだが、
微熱は続いた。
微熱があるから当たり前なのだが、体がだるい。
しかし、家事ができないほど体が動かせないわけではない。
しかし、お風呂掃除はしんどいなぁ……アイロンがけせんとこ……と思ってしまうくらいにはだるいのだった。
万が一のことを考えて、家の中に隔離スペースを作ろうと思うが、
いかんせん物であふれている我が家。
寄木細工のように物と物を、考え抜かれて積み込んだ我が家に
もはや人ひとり分横になるスペースなどない。
それでも、ようやく納戸と化した一室の椅子の上だけスペースを空けた。
いざとなったらそこで座りながら寝るしかない……。
スーパーとドラッグストアしか行っていないのに、
どこで移されたんだろう?
しかし、風邪かもしれない。
しかし、コロナかもしれない。
そのうち、微熱が続くためか、頭痛がし出した。
あまりに痛いので、なるべく飲まないようにしていた頭痛薬を服する。
ロキソニンは危ないというので、バファリンをば。
幸い沈痛成分が無事に効いたようで、頭痛は収まった。
が、翌日にはまた頭痛。また薬。また収まる、の繰り返しが3日ほど続く。
頭痛薬には解熱成分も入っているので、微熱も多少下がったりする。
が、翌日になるとやはり微熱が上がってくるのだった。
コロナならば1週間、2週間で急激に容態が悪くなる……という話もある。
コロナに感染しているとわかった人でも、軽傷だからと自宅で自粛養生をさせられていた人がいよいよ容体が悪化したから明日入院ということになったその晩のうちに亡くなったというニュースもあった。
朝は普通でも、その夜には死んでいた……という悲惨なニュースも報じられた。
埼玉県ではなかなか検査が受けられず、検査結果が分かったときは亡くなっていたというひどいニュースも報じられた。
急激に悪化して、急に死んでしまう……なんと恐ろしいことか。
微熱でだるいな~と言いながら掃除している自分が、夕方にはコロリと死んでしまうかもしれない。
あるいはゴミを捨てに家を出たその途中で、ぱたりと死んでしまうかもしれない。
食料だって買いだめしていたわけではないので、底をついてきた。
1日1日、あぁ、生きてた…と思いながら起きる。
毎日、まだ生きてるぞ? と確かめながら生きる。
呼吸は苦しくない? と自分の肺を確かめる。
心なしか横になると胸苦しい気もしてくる。
(でも、呼吸ができないわけでは全然ない。)
14日過ぎた辺りで、いい加減はっきりさせたいと思った。
医療機関は大忙しで、重症でもない私が行ったら迷惑かもしれないけれど、
こちらだって、もしかしたら感染していて、数時間後にころりと死ぬかもしれないかもしれないかもかもかも……なのであって、
思い切って、前々から調べておいた電話番号を色々あたってみる。
ところが、あれこれ似たようなネーミングがあり、どこに連絡をとるべきかが、これまた悩ましい。
「帰国者・接触者相談センター」は
3月の時点で、武漢(ウーハン)からの帰国者などを検査していたようだが、チャーター便ではなく、別のルートから必死で帰国した人が検査をお願いしたら、「チャーター便で帰国した人しか検査しません」と言われたという話があったので、
最近渡航履歴もない私が診てもらえるわけがないので、パス。
ネットで容態を入力してAIで答えてくれるらしい……なんてサイトへ飛ぶと(東京都のだったけど)、
〇〇成分の薬飲んだかとか、それ以外の成分の薬飲んだかとか、訳の分からない選択肢が多く、結局こちらはアンケートに答えさせられただけで終わった。なんだったんだ?
姉からは「埼玉には『ふじみ野救急クリニック』なるところがある。埼玉県人なら診てもらえるのでは?」と勧められたが、
そのクリニックがTVで取り上げられていて、まぁ、大変そう!
ネットで調べてみても、検査を受けたい人は電話予約などせず直接来るようにと書いてある。どれだけ待たねばならないだろうか? おまけに遠い……。もし私が感染しているならば、電車に乗ったらまずいだろ……。タクシーだって乗せてくれるかどうか……?
そして、厚生省の相談窓口に電話してみると、
まず埼玉県の保健所に連絡しろと言われる。
24時間受付の電話相談(埼玉県新型コロナウイルス感染症サポートセンター)もあると言われるが、そちらは何度掛けても繋がりゃしない。
休み明けを待って、埼玉県の保健所に連絡すると、(ゴールデンウィークや日曜日はお休みなのね。)
保健所は、
まず、かかり付けの病院なり発熱外来があるような病院で診てもらって、
その医者がコロナの可能性があるとして保健所に連絡してこなければならない、の一点張り。
もし私が感染していたら、病院が迷惑じゃないか! と思うのだが、
まず病院! と保健所は譲らない。
病院が受け入れてくれなかったらどうするのか?と聞くと、
とにかく病院へ行って診てもらえとしか答えてくれない。「発熱外来」とかがあれば~などと言う。
ならば、どこの病院が「発熱外来」があって診てくれるのだろうか? と聞くと、
病院リストを見ろという。(そんなのはさんざん見たが、自分のかかり付けの病院は載っていなかったし、「発熱外来」があるとも書かれていないのであった。病院のホームページを見てもよくわからなかった。)
そして、結局「発熱外来」なるものがあるかどうかもはっきりしないままに、
とにかく我が家の近くの病院をあげてみて頂いたらば、
もっとも近い病院などは出てこず、
知らない病院ばかり4つ挙げられた。
(しかも、問い合わせていた翌日の木曜日は休診日の病院が3つ。)
なんのために電話したのかわからず。
結局、以前かかったことのある近所の普通の内科病院へ電話で事情を説明したら、
とにかく来るようにと受け入れてもらえた。
移さぬよう、移されぬよう、マスクにサングラスに手袋で待っていると、
肺のレントゲンを撮られ、血液検査をされ、診察室に呼ばれる。
肺のレントゲン写真、左肺の方の下の方が白いんでないか?
「感染してますね」と言われることを覚悟して身を固くしていると、
先生は、「肺はきれいなものです! 」とにこやかにおっしゃられる。(いや、そんなにきれいなはずもないのだが?)
血液検査の結果も、炎症もなし。白血球やリンパの数値は極めて正常。
コロナ感染の可能性は0%です! と太鼓判を押された。
ただ、西洋医学的には問題なく「健康」なのですが、
東洋医学的には立派な病気です! とのたまう。
今までこんなにきっぱり説明をしてくださるお医者様がいただろうか? いや、いない。(きっぱり過ぎて、返って不安。)
とにかく私は内臓に熱が溜まってしまう東洋医学的な病気らしく、
しばらく漢方薬を服用するよう言われて病院を後にしたのであった。
コロナではなかった! ハレルヤ!
コロナではなかったので、少なくとも人に移してしまうかもしれないという不安はなくなり、スーパーに繰り出せたのであった。
微熱続きのだるさなど吹っ飛んだわ。
……しかし、先生が感染と認めてくれなかったので、保健所に連絡されることもなく、
私はPCR検査が受けられないままである。
実はかかっていた……なんてことが万が一にもないのだろうか? 一抹の不安は残る。
それにしても、どうせ病院→保健所の順ならば、なぜ「まず保健所に連絡しろ」などとゆーのだろう?
どんな容体だろうが、まずとことん病院を探して、受診してください! じゃない?
保健所って、いったいどんな仕事してるんだろう?
病院の先生からの連絡がなければ何も動かないのなら、無駄な電話番だよね?
厚生省の方はなぜに「まず保健所へ」なんて言うのだろう??????????
ってか、感染が疑わしいと思われる人が、まず病院へ行くって、危険じゃない?
移しちゃう危険が大きいよね。
(待合室は椅子がひとりずつ空けて座るように設定されていたけれど、人がたくさんいたし、看護婦さんその他スタッフさんも、マスクやフェイスシールドはしていたけれど、完全防備の様子でもなかった。)
この順番って、おかしいでしょ。
まず検査じゃないだろうか?
検査結果を待っていられない症状の人は仕方ないとしても、
私のような微弱な症状の人間には、病院よりまず検査だと思うのだが。
病院の安全のためにも。
さて漢方薬を飲み始めて数日、
私の微熱はやや低目のときが増えたようだが、まだまだ続いている……。
検査の数が他国に比して圧倒的に少ない日本の「感染者数の減少」など、なんの信ぴょう性もないと思うのは私だけだろうか。
しかも、一人の感染者に18回も検査したというその数字がそのまま検査数にひとくくりにされているだろう日本の数字など。