コロナウイルスの蔓延で、ライブハウスが世間に取り沙汰されてから

「中止か決行か」という判断がものすごくシビアになって

今、ライブハウスの関係者様方はもちろんイベンターの方々、バンド自身も、開催するのであればできる限りの予防策を考えていこうという流れになっているかと思います。

 

 

「自粛」という言葉を背景に、いろいろな考えがある中で

僕らも先の見えない状況の中

今回のワンマンツアー、仙台公演から札幌、青森のターンを開催の方向で進めました

 

 

その後、事態の悪化に伴い、札幌、青森は今回中止となりましたが

その判断をした当日の仙台公演については決行させていただきました。

そしてワンマンツアー初日となった仙台公演を終えて、いろんなことを感じました。

 

 

これから刻一刻と状況は変わるでしょうし

今は、より自粛の風潮が強いですが

自体が鎮静化してきたら、僕らのみならず自己判断で開催するライブも増えてくると思います。

そんな中で僕ら自身気をつけたいことを今回の反省と共に少し書いておこうと思いました。

 

 

そんな事普通に考えればやる前からわかることだろうと思われるのは重々承知の上で書かせていただきます。よかったら読んでみてください。

 

 

話の前に一点だけ、このブログについては、自粛や決行の是非だったり、感染リスクのことについて書きたいわけではないので、そのことについてはわかっていただければ幸いです。

 

 

結論からいうと、当たり前の話ですが予防策を考えながらもいつも通りライブを行うなんてまず無理だと痛感しました。

 

 

出演者、来場者、ライブハウスを守るためとはいえ、検温、問診票も、本来自由なものであるライブに対して疑いをかけるところから始まってしまったり

 

 

何よりマスクを着用してのライブは相当に辛いものだったと思います。

僕ら自身、なるべくいつも通りの運びでのライブを見せたいという気持ちからセットリストを作り

ある程度のことは想定して、いつもよりMCのタイミングを増やし、その間の換気、曲間の取り方も広げたつもりではありました。

 

 

それでも、ライブが始まって間も無く、声をあげ、拳をあげ、飛び跳ねる中、フロアにはあっという間に、笑顔の中に苦しそうな顔が混じっていくのが手にとるようにわかりました。

 

 

ライブ中、無理しなくていいって僕自身言ったけど、それでもいつも通り楽しみたい人はいつも通りの動きをしてくれる。ただ逆に「無理するな」って言葉が、静観する人といつも通り楽しむ人の隔たりを余計広げたように感じてしまった。

 

 

よく政府批判で言われてる、命令じゃなく要請とすることで自己責任としているような感覚と似ているように思えて、なんだか情けなく思えてきました。

 

 

当初、盛り上がりのピークとしてもってきた楽曲。Chantyの中でも比較的暴れる要素の強い曲。どうかいつもと違う楽しみ方をしてもらえないかと思い、僕の指示で動かないよう指示してじっと僕らを見てもらいました。

 

 

ガムシャラに演奏しました。いつもだったら起こる叫び声の応酬も演奏にあわせて会場に僕だけの声が響き渡る。心の中に寂しさが無かったかと言えば嘘になります。いつも自分たちが自信を持ってライブができるのは、本当にいつも通り楽しんでくれてるファンの支えありきなんだと改めて痛感することとなりました。

 

 

みんなライブに対して自由を求めにきたのに、どんどん不自由になっていく感覚がずっとこびりついて仕方がなかった。申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

 

もちろん悪いことばかりではなく

その分届けようという気持ちも自然と増して

一人一人の顔を焼き付けるように見ながら歌えたように思います。

 

 

MCだって、普段ワンマンで本編中にメンバーと喋るとかをChantyはあまりしないので

そんなやりとりで笑ってもらえたりするのもすごく嬉しかった。

 

 

最後に演奏した曲は今の世界に伝えたいことを込めて届けられたような気がして

初日にして泣きそうな気持ちになったのを今でも思い出します。

 

 

結果だけで言ったら楽しい1日でした。

ライブハウス関係者様方、イベンター様、みんなの多大な協力をもとに

開催できたことは本当にありがたいことです。

 

 

ただ、それは、本来はしなくてもいい協力あってのものであることは間違い無く

本来一緒に作りたかったステージとは違う形でした。

もちろん自己判断で泣く泣く来場を見送った人も多いと思います。

正直なところこのスタンスを継続してワンマンツアーを回っていくのは難しいと改めて感じました。

 

 

ここまでの文章だとネガティブなことばかり伝えたいように感じるかもしれませんが

そういうことが言いたいわけではありません。

 

 

冒頭でも書きましたが、徐々にこの事態が鎮静化してきたときに

 

 

「できる限りの予防策」

 

 

この言葉を使って公演を開催するのであれば、もっとフロアのことを考えなければならないなと思いました。入場時の予防策は仕方ないにしろ、特にマスクをつけてのライブを強制するのであれば、自分たちの思っている以上の負担がファンにかかるのだと自覚しなければいけません。

 

 

そうなってきた場合、自分たちが本来やりたかったものをある程度変更し

その環境にあわせた内容を届けられるのなら、その公演は初めて形になるのではないかと思いますし、それが出来ないのなら公演はやるべきではないと思います。

 

 

配慮しなければいけないのは予防策をしたってことで終わっていないかってことだと思うんです。

いつも通りを目指して決行したことにより、来場者に負担がかかり、自分たちの表現も満足に出来ないでは本末転倒です。

 

 

僕らのワンマンツアーも4月末からスケジュールが入っています。

事態の鎮静化が見られないようであればもちろん中止もしなければいけません

ただ、もし、開催の方向で考えることができる状況となった場合でも、状況に応じて本来のライブ内容とは大きく変更したものを考えなければいけないなと思っています。

 

 

なるべく早めに諸々のアナウンスができるようにしますので

御留意いただければ幸いです。

 

 

最後に、せっかくのワンマンツアー初日、成人の誕生日のことだったにもかかわらず

こんなことばかり書いてごめんなさい。

あの日嬉しかったことや楽しかったこと、感謝に気持ちでいっぱいです。忘れません。ありがとう。

来年また気兼ねなくお祝いが出来たらなって思っています。

 

 

早くいつもの日常が戻ってきますように。