ドレミ・ファというバンドが音楽を創っているのではなく

音楽の中にドレミ・ファというバンドがいるのではないか

 

野中くんが差し入れてくれた酒をいい具合に摂取し、ほどなくGOMI化した自分は

ライブ後の帰り道で酩酊しながらそんな小難しいことを考えていた

 

よくよく考えれば、メンバーの名前には音階がつけられ

オフィシャルサイトのプロフィールにはSNSへのリンクはほぼ載っていない

あえて言わせてもらうと、いまいち実体の掴みづらいバンドだったドレミ・ファ。

 

3年前のツアーでご一緒させてもらえた時

彼らは後ろ向きに傘を回しながらステージをスタートしたように思う

ものっすごいハイセンスな楽曲と世界観に衝撃を受けたことを覚えている

 

大阪公演で初めてお話しさせていただいて

盛り上がってメンバー皆様方と楽曲の制作はどうしているのかとか

色んなお話しをした上でも、なんだか不思議な空気感を持つバンドさんだなというのが率直な感想だった

 

ツアー後はなかなかご一緒の機会が無いまま

色んなご縁があってありがたいことに今回の「休符」への出演が決まった

 

改めて楽曲をいただいて一番最初に思ったことは

 

「曲もさることながら歌詞やばいー」(いい意味のことですよー!)

 

楽曲の中にこめる音も言葉も、並々ならぬ世界を感じて一瞬たじろいだ

歌詞にほぼ繰り返しがないことにも別の意味でたじろいだ

 

改めて楽曲に向き合った時にすごく緊張感が高まったことを覚えています

 

日常にドレミ・ファの音楽が入り込み、染まり、

どんどんと緊張感を高める中で

迫る7月末のリハーサルをコロナで飛ばす事態に発展

僕は詰みを覚悟した

 

が、しかしメンバーさんのご配慮でなんとか前日にリハーサルを設けていただくこととなり

改めて歌わせてもらうことができ(その節はご迷惑をおかけして申し訳なかったです・・)

そこからなんとか昨日にたどりついた。

 

本番が始まり一曲目アビス・イン・アクアリウムを自分が歌った

めちゃくちゃ気持ちよかった。

その後個性豊かなボーカル陣が織りなすステージを

ワクワクしながら見ていた

当初、それぞれのステージを見てて負けないようにしたいなって少なからず思っていた自分

三者三様のステージを繰り広げる中で

徐々にそういう気持ちが失せていったように思います

 

それぞれのサポートボーカルに選曲された楽曲と

ドレミ・ファメンバーのステージの運びや繋ぎ

 

あーそっかこれは、ボーカル別のステージでもないし、1つ1つの楽曲って区切りでもないし、極端に言ったらドレミ・ファのメンバーすらフューチャーしない「休符」というものが主役のステージなのかもしれない。みたいなことを思ったりしました。

 

邪な気持ちを取っ払った自分は、ドレミ・ファメンバーが「休符」というステージ、あの位置に僕を据えてくれたこと、意味を、全力で表現しようという気持ちになりました。

 

冒頭の出番から、4人がステージを去り、二度目に僕が登場する瞬間には

メンバーは傘を客席側に向けくるくると回していた

 

まあ!なんたるエモいことでしょう!!

 

僕は3年前のツアーでご一緒したきり

そこまでドレミ・ファの皆さんと縁があったわけではないし(しょうたくんのサポートはまた違うベクトル!)

この日に、しかもこの楽曲の配置で歌わせていただけることが

ふさわしくないんじゃないかという気持ちをずっと抱いておりました

 

しかしながら3年前から邂逅するように始まった

 

プリア・レペティア

 

に、色んな感情の昂りを感じステージに向かいました。

 

そこからあとは必死であんまり覚えていませんが

自分のバンドをやっているような感情の移入があったことを覚えています

そして自分のバンドをやっているかのような悔しい部分もあり

それもすごくリアルな感覚として残っています

 

そしてどうかのり弁の話は忘れてください。

なんかわたしEDGEで変なMCしがち。

 

アイオライ・ト・ワイライトを届けた時

自分の気持ちのように歌えたのが嬉しかった

 

ライブが終わった心地よさと

若干夢見心地な気分になっていたところで

 

応援にかけつけた野中Tさんから大量のビールをいただき

ボーカル陣で乾杯。

30分ほどで急に仲良くなるボーカル陣。

例のごとく瞬殺されるわたし。

絡み出すわたし。

 

ドタバタしながらメンバーに別れを告げ帰路につき

あんまり実感のなかった1日に対して

冒頭のようなことを思った次第であります。

 

やっぱり、なんだかドレミ・ファっていうバンドに実体感を感じないんだよなあ

きっとそれって曲の中にメンバーが生きているからなんじゃないかなと本気で思う

楽曲の化身がドレミ・ファなんじゃなかろうか

 

二次元的でもあり、本当に不思議な感覚。こういう感覚になるバンドってなかなか無いと思う。

御伽の国のような感じですね!

 

今度は謎を解き明かしたいからまたあのステージを見せてほしいなーと思います。

そう、僕は中にいたけど外にいたんだ。

 

なんか、語ってごめんなさいね!

おまえにドレミ・ファの何がわかるんだよ!

ってなったらごめんなさいね。

 

でもね、改めて、本当にいいバンドに出会えたことに感謝です。

そして僕に大切な曲を預けてくれてありがとうございます。

そして受け取ってくれた皆さんも本当にありがとう。

 

また出会えたらいいなと心底思いますし

それまで紡いだ楽曲を聴いたりして戦慄しておきますね。

 

ひとまずドレミ・ファ、お疲れ様でした!