みきくらのかいの特別公演。「曲がり角の悲劇」
拝見しました。
配信での公演なので、特別公演。
この特別公演にまたえぐっさんを選んでもらえたことが、まず嬉しかったです。
今回のお話は風の国の戦士カゼと海のない国の戦士ナギ。
この2人が出会ったことによるお話でした。
今回は全体が見えるみきくらver.とそれぞれを中心に移したver.がありました。(定点カメラみたいな?)
申し訳ないことに三木さんver.は拝見していないので、えぐっさん中心になりますが、感想を書いていきたいと思います。
お話を書いていくと、
海のない国の戦士ナギはカゼに出会って、「お前は人を殺したことがない」
と見抜かれ、見逃されます。そこに海の国の戦士たちが集まり、カゼは捕まり、ナギはカゼと対峙しても生きてることを称えられ女王マリシの元へ。
そこで、ナギは仕上げとして、今ここでナギを殺せと言われます。ですが、ナギは「こんな卑怯なことをしないで正々堂々と勝つ時は勝ちたい」と女王に伝えます。マリシは今度はナギの親友イツヤにカゼの片目をえぐらせます。
ナギはカゼを捕らえた褒美として娘のヨヨの婿になることに……
ですが、ヨヨはそこでナギではなく、イツヤに一目惚れをして、母の命令を拒否します。
各々に想いはあるが、今日のところはそこまでということで、最終的にマリシは「次の戦で手柄を立てたものがヨヨの婿にする」と決めました。
イツヤもナギもそんな気は全くなく、お互い手柄を立てずに逃げようと話しました。
そこで、ナギはイツヤに「実は…」とカゼには借りがあることを話します。
イツヤと別れたあとナギは本当の気持ちを吐露します。
「俺は怖かったのだ。人を殺すのが。」
そこを乞食に見られて脅されるナギ。乞食を殺そうとするが…やはり殺せませんでした。
カゼに言われた「お前は人を殺すことが出来ない」
という言葉の意味を知りたくて、牢屋に入れられたカゼを逃がしました。
そこで、ナギはカゼから自分は人を殺せない理由を聞きますが、「目だよ。お前の目は人を殺したことのない目をしている。
そして、それは運命だ」と言われます。
それを聞き、カゼに「海を見たことがあるか?凪とはどういうものなのだ?」と聞きます。
カゼはそれに対し、「凪とは仮初の海。ただ……夕暮れ時の凪はキレイ」と答えます。
逃げたカゼはマリシを殺し、イツヤの両目をえぐりました。
それを知り、助けたことを後悔するナギ。
諦めて運命に従った結果、巻き起こしてしまった出来事に自分を責め立てます。
そこをまたしても乞食に見られてしまい、「全てお前の思い描いたようになったのでは?」と言われ、反論の末、ついに殺してしまいます。
そこからは運命は抗っても良いのだと気づき、考えてもいなかったヨヨと結婚して国王の父になることを決意します。
ヨヨの元に行くもヨヨはイツヤでなければ嫌だと頑なに拒否。イツヤも目が見えなくなったことでヨヨの良さを知り、ヨヨのことが好きになります。
諦めることをやめたナギは引き下がらず、力ずくでヨヨを手に入れようとしますが、イツヤにバレてしまい、イツヤを殺し、ヨヨも殺してしまいます。
ラスト。ナギは海を見にこうとするが、カゼと再び会います。
ナギの目を見て、カゼは言います。
「人を殺したのだな」
「あの時、お前は俺に何故、人を殺せないのかの他にもう1つ聞くべきだった。何故、あの時、お前を殺さなかったのか……」
「殺さなかったのではなく、殺せなかったのだ。おれは怖かった。お前の目は曇りなく真っ直ぐで殺せなかった」
それを聞いてナギは訪ねます。
「今は?今の俺の目は?どうだ?」
「今の目はあの時とは違う……」
そして、ナギは喉を切られて死んでしまいました。
とまぁ、こんな感じです。
ここからは感想を
総括すると凄かった……2人の演技にただただ、圧倒されてました。
演じ分けはやっぱり凄いですよね。
1人、5.6役くらいやられてて。
パワーアップしてましたね。
ホント凄い……この役はこの声って全部覚えてるのかな?それとも台本に書いてるのかしら?
ここからは個人の感想。
まずは三木さん。
さすがですよ!カゼの時にはえぐられた片目を表現するために片目を閉じてたり、これは私は見てないのですが、両目をえぐられたイツヤの時は両目閉じてたそうです……。
ヨヨ姫もやってたのですが、かわいいかった。
ハカナの時も思ったけど、可愛さが見えるんだよね。お母さん(マリシ)が死んでからの凛としたヨヨは凄かった。目の前でイツヤを殺されて、ナギにほぼ脅迫の形で結婚を迫られても、自分の意志を持って、拒否をした姿は立派でした。
また、イツヤは目が見えなくなって、ヨヨの良さに気づいて、ナギに対して「諦めたことで手に入ることもあるんだと気づいた」と伝えるシーンがあるんですけどね。
ここがナギとの対比があり、胸にきますね。
カゼとしては私はナギには生きていて欲しかったのかな。と思います。
敵だけど、人を恐れないまっすぐな瞳。カゼもこのようになりたかったのかな。
だからこそ、「その目を赤く染めるなよ」と言ったのかなと思いました。
(上記の話のところでは書いてませんが、初めて対峙したときにカゼはナギにその言葉をかけています)
イツヤとヨヨも結ばれたのに・・・・
そして、えぐっさん。
前回に続き、とても大事な役をやってくれました。
前回の鈴次郎はクズから最終的に良い心で相手を思うキャラだったのですが、
今回のナギはそれ言うと真逆ですね。
最初のナギ(凪と捉えますね)は正義感溢れる青年で声もしっかりとした芯のある声で、カッコよかった!!!
こういう声、好きだな~
マリシ、サンタとの声の違いがすごかった!
続けて話すシーンが結構あるんだけど、スイッチの切り替えが秀逸だった。
あとは乞食を殺してしまった後の豹変したナギとの差が。
これは本当にすごかった!!!
顔つきはもちろんのこと、佇まいさえも違うんだよね。
ナギ(凪)のときは真剣な目で前を見据えてるんだけど、豹変後は目を見開いてたり、どっか余所を見てたり。
特に目!!!豹変後ナギは本当に怖かった。。。
見た時の第一声が「怖い・・・(涙)」だったもん。
個人的にはヨヨが「この後、人に会うので…」とやんわりとナギに帰ってほしがるんですけど。
それに対して、「…イツヤ…ですか?」
ってちょっと目を見開いて言うんですよ。
そこが怖いけど好きです(笑)
ところどころ、えぐっさんの目に光が入るんですけど、それが……怖かった。
好きだけど、怖いんだよね。ゾクッとする。
あと、イツヤに「あの男を殺したのはお前か?」って言われたときのナギの目がちょっとほんの少し動くんです。それがまた、ナギ(凪)の時との違いがね。
そして、そこからの「…あれは俺ではない」の目が……
そして、ラスト、カゼに再び会った時の目の虚ろさ……
「俺は……海を見に行くんだ……」の中に海への執着と抜け殻のようなものが見えましたね。
ナギと凪。お父さんは海の凪のように穏やかな人になって欲しかったんじゃないかなと思います。
そして、名の通りだったけど、カゼ(風)に出会って、荒れてしまったのでしょうね。。。
芯の通った美しさ。怖さの中にある美しさ。
全編通してえぐっさん、美しかった……。
タイトルの曲がり角。
詳しくは書いてませんがちょいちょい出てくるんです。
曲がり角は人生の岐路。そんなものを物語ってる気がします。
曲がり角をうまく曲がれなかったナギと曲がり前へと進んだカゼ。
どこで間違えたのかは誰にもわからない。
人生って難しいんだなぁ……
あぁしておけば……って誰でも思うことだもんね。
うーん……難しい。
長くなりましたが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
いろいろ思うことありますが、それはまた別に書けたらと思います。