“ 硫黄島からの手紙” | こんな女の日常ですが・・・

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毎日、色々ありますがマイペースで生きていきます
だって自分の人生だもの・・・


※アメンバーの承認は髙橋大輔選手のファンの方のみにさせていただきます
 悪しからず・・・・m(_ _)m

遅くなりましたが、やっと観に行けました

既に、公開されてから1ヶ月経つので、多くの方はご覧になっている事でしょう

実は私は“父親たちの星条旗”は観に行けなかったので、ちょっと行くのを躊躇ったのですが

行かないと後悔するかもしれないと考え直し、観る事にしました


私達、日本人の多くは、この硫黄島での戦いの事実を詳細に知らされていなかったのではないでしょうか?

私自身、かなり小さな頃からこの第二次世界大戦・太平洋戦争について興味を持ち

世界中で同時期に起こった出来事の書籍を読み、映画やドラマ、ドキュメンタリーを観てきました

でも、この小さな島で起こった事は何も知らなかったのです

だって、そうでしょう?学校では教えてくれませんし、記録が無ければ知る由もありません

きっと当時の日本政府にとって、このような出来事は闇に葬ってしまいたい事の一つでしょうから

アメリカ側での記録が無いと、分からなかった事が殆どではないでしょうか?

生存された方がおられたとしても、きっと思い出したくない事実でしょうし

人間、ショックな事を経験すると無意識に忘れた状態になってしまうものです

監督のクリント・イーストウッドは“父親たち・・”も“硫黄島・・”もヒューマン・ドラマだと語っています

確かにそうかもしれません

“戦争”という究極の状態は人間をどう変えてしまうのか

敵国だけが適ではない、自国の中にも色々な考えがある


話は私事になりますが私の勤めるお店のお客様の中に、長年ご贔屓にしていただいている

ご老人がいらっしゃいまして、その方は当時南方へ出兵されて、腕を片方切断する負傷を負われた方です

いつも優しい笑顔で、色々とお話を聞かせてくださるのですが

ある日、話の流れから当時のお話を伺うことがありました

『軍隊なんて入るとメチャクチャなんだよ、馬鹿な上官に当たると不幸だな

気に入らない奴には最前線にやるのは当たり前

【行けー!】と突っ込ませて、自分が後ろから撃ったりする

それで〔名誉の戦死〕だって家族に報告が行ったりするんだ

本当に敵の弾が当たって死んだかなんて、現場でも誰も分からないかもしれないんだよ

今のサラリーマンだって似たような状況があるんじゃないのかな?』


私は映画を観ながら、その絶句してしまうような話を思い出していました

味方であろうと、敵であろうと、人は皆“人間”なんです

人の考え方や育った環境は、百人いれば、百通りの人生がある

国や人種が同じであろうと、なかろうと百通りなんです

他人は自分と違って当たり前


劇中『我々の子供らが日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら、我々がこの島を守る一日には意味があるんです』

と反感を持つ部下に、自決の無意味さを知らしめた、栗林中将

そして、アメリカ人捕虜を殺そうとした部下に

『お前はアメリカ人に会った事があるのか?』と静止したバロン西こと西竹一

負傷しているアメリカ人青年を最後まで看取り、敵国の兵士だろうと

家族もいれば、夢も持っている一人の人間なんだと教えたかったのだろう


“人の命が尊い”なんて今は当たり前と思っているけれど

当時は“天皇陛下の為に、御国の為に、死を持って忠誠を誓う”が当たり前だった戦時中

そして、その思想に従わない者は非国民だという非情な考えが当たり前だった戦時中

栗林中将やバロン西のような思想は“戦争”という時代の悪魔が飲み込んでしまったけれど

今、生きている我々が彼等の意思を受け継いでいかなければいけないと思う

これから生まれてくる新しい時代の為に・・・


静かなテーマ曲がとても激しさを感じさせてくれる映画でした

梯 久美子
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
栗林 忠道, 半藤 一利
栗林忠道 硫黄島からの手紙