基礎疾患を持つ赤ちゃんの非常時のミルク育児について | 胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患母の会 肝ったママ’s

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 一昨日から熊本の地震、ニュースなどから災害の様子が明るみになってきて、心を痛めております。今回の地震の特徴というのでしょうか、大きな余震が何回も繰り返されており、現地の方々は避難先でも、とても不安な気持ちでお過ごしではないかと思います。一日も早く落ち着き、復旧復興が進むことを祈っております。

 胆道閉鎖症の赤ちゃんは、葛西手術の後、経過観察中に絶食することがあります。この手術~絶食期間中に母親の母乳が止まってしまうことがあります。そのため、人工乳で哺乳することになります。また、術後に哺乳再開されても、肝臓に負担をかけないために、MCTミルクという特殊ミルクを飲むことがあります。まだ、離乳食を食べられない赤ちゃんにとっては、このMCTミルクや人工乳が命綱とも言えます。

 今回の地震で、授乳中の赤ちゃんを連れて避難された方もおられるかと思います。そうした中で、胆道閉鎖症、または他の基礎疾患(代謝性疾患など)の赤ちゃんは、「ミルク哺乳」の場合があります。肝ったママでも、そうした方々に避難先での「ミルク育児」のために、いろいろな情報を収集し、発信していきたいと思っております。

 そうした中で、「ミルク育児 非常時」などのキーワードで情報収集しておりますと、「非常時にこそ母乳育児支援」というサイトが多いことに気づきました。また助産師さんらに質問しても、「母乳育児支援できるなら母乳を」がまず前置きにあり、ミルク育児についてはあまり情報がないことに気づきました。 

 通常時でも、非常時でも「母乳育児」がすばらしいものであることに異議はありません。しかし、マイナーかも知れませんが「ミルク育児」しかできない赤ちゃんもいるんです。特に、胆道閉鎖症や代謝性疾患など基礎疾患を持っている赤ちゃんの中には、「特殊ミルク」でしか「哺乳」できない赤ちゃんもおられます。赤ちゃんの治療の期間中に母乳が止まってしまう母親もおられ、母乳育児をしたくても出来ない事情があります。

 調べたサイトの中には、「災害時のミルク哺乳は諸刃の剣」と書いたブログもありました。母乳哺乳から離れてしまうことも書かれてましたが、ミルク調乳するために避難所にある水やお湯などの限りある物質を使ってしまうからと書いてありました。確かに非常事態において、避難所の物質は限りが有り、有効かつ公正に分配などの問題があることも知ってます。でも、こうした考えは私たちの赤ちゃんには当てはまらないこと知ってもらいたいのです。

 基礎疾患を持つ赤ちゃんや患児の中には、「特殊ミルク」でないと症状が悪化してしまう赤ちゃんがおられます。赤ちゃんにとって「症状の悪化」は「死」を意味します。どうか、こうした赤ちゃん達がいることも知ってください。助産師さんや保育士さんは、避難所における「ミルク育児」をしている母親に対して、一定の理解をしめしてくださると助かります。

 「基礎疾患を持つ赤ちゃんの非常時のミルク育児について、ご理解とご協力をお願いいたします」




肝ったママ’sは「治療用ミルク応援プロジェクト」の支援団体です。
「治療用ミルク応援プロジェクト」サイト