先日、武道歴30年の齢50過ぎの方と一緒に散歩をしていました。
いろんな話をしてるうちに、その方(Nさん)が「こういうの知っていますか?」と、急に立ち止まり、なにやら財布の中をゴソゴソし始めました。
取り出されたのは、期限切れの定期券。
(???)
不思議な顔を僕がしていると、
「今から定期券を無造作に投げるので、その後、私を横から押してください」
と、頼まれたので、Nさんがポイっと無造作に定期券を投げ捨てた後、言われたとおりに押してみた。
何の苦労もなく、Nさんの体勢が崩れ、僕の押した方向へ数歩横にずれられました。
(???)
放り投げた定期券を拾ってこられ、
「今度はこの定期券を目の前の花壇に丁寧に置きます。その後、同じように横から押してください。」
Nさんは、さもその定期券が家宝であるかのように扱われ、お辞儀をしながら丁寧に置かれました。
そして、先ほどと同じ力でNさんを押してみる。
すると・・・・・・・・・
う、動かない。Nさんに芯が通ったように重くて押しても全然動かない!
僕が驚いていると、
「クランくんも同じようにしてみてください。」
と、勧められたので、Nさんと同じように、まずは定期券を放り投げてから押してもらい、次に定期券を丁寧に扱ってから再び押してもらった。
すると、やはり同じような結果になった。
「武道家はよく整理整頓を心掛けておられますが、なるほど、モノを大切にする心がそのまま強さに直結するんですね・・・」
僕は思わず唸ってしまいました。
「不思議でしょう?でも、実際そうなんですよ。」
真剣な顔で感心をしている僕の横で、ニコニコとNさんは微笑んでおられました
モノを大切にすることで自らの心身が調うんでしょうね、きっと。
また一つ、大切なことを学ばせていただきました