「・・・ぐおぉぉ」

 

 

・・・にゃ、にゃん?

 

 

翔の顔が目の前にある。

なんで?

 

 

それに、なんか重い・・・

う、動けない?

 

 

にゃ、なんで?

 

 

にゃ・・・

あれ?これ、

翔の手?

 

 

ここ、翔のベット?

 

 

・・・あ、あれ?

 

 

なんかおかしい。

いや、おかしいというか、

戻ったというか・・・

 

 

あ、やっぱりそうだ!

肉球がある!

・・・おいら猫に戻ってる!

 

 

え?

ええっと・・・もしかして、

 

 

戻ったわけじゃなくて・・・

 

 

全部・・・夢だった?

 

 

おにいさんようせいがきてくれたのも、

しょうたいじょうをもらったのも、

しょうたいじょうがおしえてくれたことも、

おいらが人間になったことも、

翔とワンダーランドに行ったことも。

 

 

一緒に乗り物に乗ったことも、

ラーメン食べたことも、

観覧車に乗ったことも、

 

 

翔をぎゅっとしたことも、

ほっぺに・・・ちゅうしてもらったことも・・・

 

 

全部・・・夢?

 

 

だったのかぁ・・・

 

 

なんだ、そうか・・・

 

 

にゃにゃ、

そろそろ限界。

 

 

しょお、起きて〜〜〜

この手どけて〜〜〜重たいよ〜

 

 

う〜〜ん。

全然起きてくれない。

翔ってば!!

 

 

「ん・・・くすぐったい」

 

 

あ、手が退いた。

やっと動ける。

 

 

「にゃん!」

 

 

翔、おはよ!

朝だよ!

 

 

「んあっ・・・え?さとし?

こら、ダメって言っただろ!」

 

 

ビクっ!!

 

 

あ、そうだった。

翔のことなめちゃダメだった。

 

 

「うっかり踏んじゃうこともあるんだから、

俺のベットに潜り込んじゃダメだって」

 

 

ふぁあ〜〜〜っとあくびをしながら、

おいらを抱き上げ、

リビングに移動する翔。

 

 

あれ?

なめたことは怒ってないの?

おいらが猫に戻ったから?

それとも・・・やっぱり全部夢だったから。

 

 

・・・あ、風船!

昨日観覧車降りた後に翔が買ってくれたやつ!

青と赤の風船がおいらのゲージの結んである。

 

 

ってことはやっぱり・・・

 

 

「はて?いつのまに戻ってきたんだろうな。

さとし、覚えてる?」

 

 

「にゃにゃ」

 

 

「ああ、そっか。

さとし、猫に戻ってるからもう話せないのか〜。

ふふ、可愛かったな、人間のさとしも」

 

 

おいらが人間になったこと、

翔も覚えてる!夢じゃなかったんだ!

 

 

「にゃあにゃあ!!」

 

 

「うんうんそうだよな。

本当に不思議な1日だったけど、

すごく楽しかった!

それにしても、お前って・・・」

 

 

「にゃん?」

 

 

おいら?

 

 

「猫でも超絶可愛いけど、

人間になったら・・・」

 

 

人間になったら?

 

 

「殺人的だわ」

 

 

「にゃん?」

 

 

どういう意味?

 

 

「ははは、さあて、飯食って仕事行くか〜」

 

 

「にゃん!!」

 

 

その後、仕事場で、

翔がまーくんとニノと潤くんに、

おいらにちゅ〜すんな!と言った。

 

 

変なの。

おいらちゅ〜してもらうの好きなのにな。

でも1番は、やっぱり翔からのちゅ〜。

 

 

『大きくなったら・・・』

 

 

おいらがもっと大きくなって、

また人間になれることがあったら、

翔にあの続きを聞きたいな。

 

 

んふふ。

お月様、おにいさんようせいさん、

おいらの願いを叶えてくれてありがとにゃん🐾

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい♡