高校3年生の冬。
進路は決まってるけど、
こんなでいいのかな?
この冬休み、
みんなが必死に勉強してるっていう中で、
クリスマスやら初詣やら、
それ以外も、
翔と一緒に過ごした。
これがいわゆるリア充ってやつ?
こんなに幸せでいいのかな?
「お、大野〜、
いいところに。ちょっと手伝ってくれ」
ん?
あっ・・・
「城島先生」
「これ、進路指導室に運ぶの手伝って〜〜」
「え?おいら?」
「そう!
いいところでいいやつに出会ったわ〜。
じゃあ行こうか!大野!」
・・・え?
マジで?断れない感じ?
「え?これ全部運ぶの?」
「運ぶの!ほれ、半分!」
「うわああ、重っ!!」
「男ならいける!行くぞ!」
「ええ??ちょ・・・先生待って・・・」
マジか?
進路指導室ってここから結構あるんじゃ・・・
「うおおっ・・・し、到着〜〜。
し、しんどっ」
城島先生の指定する場所に、
運んできた資料を置く。
「いやぁ〜〜、
大野のおかげで助かったわ。
ほい、バイト代〜。
砂糖とミルクはセルフやで」
そういうと、
城島先生が、指導室に備え付けのコーヒーメーカーで、
入れたコーヒーをくれた!
「え?やった!」
おいらは砂糖とミルクを入れる。
先生はさすが大人。
ブラックのまま、
口をつける。
「んっ、うまっ!
やっぱり仕事中のコーヒーは格別やな〜。
あ、大野にあげたの内緒だぞ」
「もちろん♪」
「あ、そうそう、
お前、櫻井から聞いてる?」
「ん?翔?何を?」
「何をって、櫻井、
急に志望校変えたんよ」
・・・え?
志望校を変えた?
「まあ、変更した学校もええとこではあるけど、
ずっと同じとこにしてたのに、
どうしたんだろうと思ってな」
「・・・いつ変えたの?」
「え?いつって、確か・・・
お前の進路が決まった後ぐらいかな?
それに最近、櫻井・・・」
「・・・・・」
「ん?あれ?
もしかして、知らんかったんか?」
「先生、『最近、櫻井は・・・』何?」
「いや、・・・大したことやないから。
すまん、今の忘れてくれ」
「先生教えてくれないと、
城島先生にバイト代にコーヒーご馳走してもらったって、
・・・校長先生の言うよ?」
「ぶっは!!え?東山校長に?
マジでか!そりゃあかん!あかんやつ!!」
「なら教えて。
『最近の櫻井は・・・』何?」
「でもこれは、生徒に教えるこやないし・・・
成績のことやし・・・」
「そこまで言ったらもう全部言ってるも同然でしょ?
もしかして、翔、最近成績落ちたの?」
「え?あっ・・・」
本当に先生ってわかりやすい。
「そうなんだ」
「や!ちゃうで!
落ちたってゆうても、
ほんのちょっとや、あれ、櫻井どうした?って程度やから」
「・・・・・」
「ちゃうで!ほんまに!
そんな青くなるほどやない。
もともと出来が良いやつやから、
心配するほどやない!」
・・・でも気になったから、
おいらに聞いてきたんでしょ?
いつから?
もしかして、おいらと付き合いだしてから?
おいらのせいで?
「先生、おいら、もう行くね。
コーヒーありがとう」
「え?・・・お、おい、大野」
なんだ、
・・・浮かれてる場合じゃないじゃん。
進路を変えたなんて・・・
翔のバカ。
なんで言ってくれなかったの?
***
東海地方は、
梅雨入りのニュースが流れる中・・・
このお話時間はまだ冬・・・
伝家の宝刀、
くろねこ必殺開き直り!!
くろねこ時間で、
推し進めて参ります♡