「・・・怒ってる・・・よね?」

 

 

『・・いや』

 

 

「嘘。怒ってる」

 

 

『貴方、俺が怒るようなことした?

だって前から約束してたんでしょ?』

 

 

「・・・そ、そうだけど。

本当はもっと早く帰るはずだったんだ。けど・・・」

 

 

けど・・・間に合わなかった。

俺も貴方のお祝いする準備して待ってたのに。

 

 

大切な貴方のbirthday

 

 

当日は大事な仕事が入っていたから、

前日にお祝いしようと計画していたけど・・・

 

 

時間になっても貴方は帰ってこなかった。

貴方が帰ってくるまで待っていたかったけど、それも叶わなかった。

 

 

「ごめん」

 

 

『なんで謝るの?』

 

 

「ごめん、ごめんなさい。

翔くんが家出る前に帰るって言ったのに。

こんなに準備してくれてたのに」

 

 

泣きそうな貴方の声。

そんな貴方の声が、嬉しいって言ったら、

きっと貴方は怒るだろうね。

 

 

貴方、今、俺のことで貴方いっぱいでしょ?

俺のことしか考えてないよね。

 

 

それが嬉しいだなんて。

そう思う俺はかなりヤバいな。

 

 

「ごめん・・・なさい、怒ってるよね」

 

 

『怒ってるよ』

 

 

「え?」

 

 

『貴方がずっと謝っててたら言えないじゃん。

俺が一番に貴方に言いたかったのに。今日いっぱい言われたと思うけど、

俺はまだ言ってない』

 

 

「え?な、何?」

 

 

『何って、

智くん、誕生日おめでとう』

 

 

「あっ・・・」

 

 

『帰ったらお祝いやり直そう。

ちゃんと家にいてよ。釣りとか行かないで待っててよ!絶対だよ!

身体も綺麗にして待っててよ!』

 

 

「身体?いつもちゃんと風呂入ってるよ」

 

 

『そういう意味でなく』

 

 

「どういう・・・はっ!ば、バカか!」

 

 

『バカではありません。至極普通のことを言ってるだけです。

恋人同士愛し合うのは普通のことです』

 

 

「もう翔くん!電話切るよ」

 

 

『朝まで寝かさないから覚悟しててね♡

誕生日おめでと!智くん』

 

 

「もうバカバカバカ!!」

 

 

 

 

 

わ、マジで切りやがった。

 

 

でもいっか。

きっと今また俺のことで頭いっぱいだろうしね。

マジで朝まで寝かさないから覚悟して待っててね。

 

 

 

 

 

おしまい♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大野くん、

遅くなっちゃったけど、

お誕生日おめでとうございます。

 

 

素敵な一年になりますように。

くろねこより愛を込めて♡