ヒュ〜〜〜、ドドーンっ

 

 

「やべっ、もう上がり始めちゃった!

もう翔くんのせいだぞ!」

 

 

「おれぇ?違うでしょ?

智くんがあのタイミングでりんご飴並ぶからじゃん!」

 

 

「だって美味しそうだったんだもん。

翔くんだってぶどう飴買ったくせに。

そしてあんなに並んで買った戦利品を一口で食ったくせに」

 

 

ぶーって顔も可愛いんですけど!

ああ、もうだめだな。

俺、もう限界かも。

 

 

「あ、あそこ座れそう。

智くん、こっち」

 

 

「ん、ありがと。

うわあっ・・・きれい」

 

 

「・・・うん」

 

 

・・・本当に綺麗だ。

 

 

花火を見上げてる貴方、

見惚れちゃうよね。

 

 

ここにいる誰よりも・・・

 

 

「あっ、みて!ハートマーク!

ニコちゃんマークの花火も!

って、翔くん花火見てる?」

 

 

「え?あっ・・・み、見てるよ!

うん、すごいね」

 

 

「今絶対見てなかった!

あ、もしかしておいらのりんご飴狙ってる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っんな訳!」

 

 

そんなわけないじゃん。

 

 

俺が狙ってるのはりんご飴じゃなくて・・・

 

 

もういいよね。

もう限界。マジで限界!

 

 

今日はそのつもりだったし。

いうなら今だよね。

 

 

「好きだよ」

 

 

「ん?りんご飴?」

 

 

「りんご飴じゃなくて、

智くんが好きなんだけど」

 

 

「・・・え?」

 

 

「俺、智くんが好きだ」