ホステス専門アドバイザー：ＲＥＩＮＡです。
みなさんの大切なもの、って、何ですか？
誰に何を言われても、絶対に手放せないもの。
人によって、大切だと思うものは違いますよね
他の人から見るとガラクタにしか見えないものでも、その人にとってはとっても大事なものかもしれません。
誰かから見るとゴミに見えるものでも、宝ものかもしれない。
実際、そういう事件がありました。
ホテルの客室管理をしていたころ、のことです。
ある日、
「花束を忘れたので、これから取りに伺います」
と、チェックアウト済みのお客様から電話がかかってきました。
その連絡をホテル側から受け、すぐに担当清掃員に知らせました。
連絡はすべて専用ＰＨＳでやり取りするのですが、
「はい、分かりました」
と言うその声に、なーんか違和感を感じたんですね。
ものすごーく胸騒ぎがしたので、部屋に行ってみることにしました。
気になる部屋は、５階。
非常階段を３段跳びで駆け上がって、現場を見に行きました。
すると、リネン室で呆然としている担当清掃員の姿。
その両手には、バキバキにへし折られた花が
花は、バスルームのコップに活けられていたそうです。
「チェックアウト済みで生花だったので、ゴミだと思った」
と、担当者は声を震わせて言いました。
ホテル清掃は、
明らかにゴミであると判断できない場合、必ず責任者に確認を取らなければならない
という、鉄則が存在します。
個人の【ゴミかどうかの価値観】なんか、そこには関係ない。
前日は、結婚式で宿泊しているお客様が多くいました。
その花束は、花嫁さんが結婚式で贈られたもの。
すでに県外に出ていたにもかかわらず、大切だからと取りに戻って来ているのです。
でも、目の前にある花束は、見る影もないほどにへし折られていました。
ホテル責任者と一緒に、お客様に事情を説明してお詫び申し上げました。
花嫁さんである女性は、
「大事なものを忘れた私も悪いので」
と言ってくださいました。
でも、真っ赤に潤んでいた目が忘れられません。
一寸違わぬ花束を弁償しても、どんなにお詫びをしても、何ものにも変えられない大切なものです。
彼女の幸せと門出を祝う大勢の人たちの気持ちを、こんな形にしてしまった。
目に見える花束の姿よりも、目に見えない「想い」に対する申し訳なさでいっぱいでした。
何年経っても、忘れられない出来事です。
ホステス現役時代には、とんでもないものを棄てた女の子がいました。
あるお客様がＡ４サイズの封筒を忘れていて、片付けている最中に発見し、ゴミだと思って棄てたのですが・・・
その中には、１００万円の現金が
結果的に出てこなかったこともあり、しばらく大騒ぎになっていました。
他店のエピソードですが、他店でよかったと心底思います
こういうことは稀かもしれませんが、絶対にないとは言い切れない。
お客様に接する以上、またお客様の私物を扱う立場にある以上、
主観で判断するのは大変危険！！
ということですね。
その重大さを教えてもらえる場面は、残念ながらほとんどありません。
私も客室管理責任者になって初めて、そういう指導を受けました。
実際には、失敗して身をもって知る、というのがほとんどだと思います。
でも・・・
ちょっと考えれば、また日ごろからお客様に対して気持ちを持っていれば減らせるリスク、でもあります。
ホテル業務でも、一定期間保管して、問い合わせがなければ破棄します。
ホステス時代も、忘れ物を届けられる人には届けに行くし、それができなければ電話で確認していました。
大事なものが入ってるかもしれない、大事なものかもしれない
そう思って損はない、と思います。
いらないと言われたら、そこで初めて捨てればいいんですから。
あなたにとってガラクタに見えるものも、誰かにとってはかけがえのないものかもしれません。
ぜひ心に留めておいてください
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