綿菓子のいえ -6ページ目

猫の脱走-5【奇跡が起こる】

主人はシオの捜索で結果が出ない事が辛いようでした。

 

毎朝行っていたジムにも行かず、週末の草野球にも行かず

口を開けば「シオの情報は何か入った?」でした。

 

「探したり、目撃情報に頼らないとシオは見つからないのに!」と何度も思いました。


飼い主が何もしなかったら見つかる可能性はゼロに等しいのに、何で?


奥歯を噛み締めながら湧き上がる色々な感情を押し殺し、性格が違うんだから同じ方向を向けないのは仕方ないと言い聞かせて我慢我慢の日々を過ごしました。


 

11月下旬、ルーティーンとしていたネットに出ている保護情報をチェックしていたら

オス、毛色・白とグレー、顔にグレーの模様、長毛、目の色ブルー、シャム猫風」を発見し直ぐに連絡しました。

 

どうかシオでありますように!!!

どうかシオでありますように!!!

どうかシオでありますように!!!

 

保護主様はインスタに写真をupされていたので確認してみると

‥文字通り白とグレーのシャムっぽい猫でした。

 

お礼を伝えて電話を切ろうとすると、保護主様は言いました。

あなたの猫、生きてるわ。見えるの。」と。

 

突然のことで驚きましたが、同じ猫好きとして励ましてくれているんだろうと受け止めました。

 

そして12月上旬の木曜日、娘を学童に迎えに行く途中に着信。

「シオは生きてる」と言ったあの保護主様(Sさん)からの電話でした。

 

そのSさんは、

 

シオちゃんは●●●の交差点を右に曲がった場所の背の高い草が生えている場所にいる

から、いま直ぐ行って!

 

と言いました。

翌日仕事があるので、シオを預けた人(Tさん)に頼んで該当箇所に暗視カメラを設置して貰いました。

 

その場所は預け先から1.5km離れていて、ギリオンラインフォローでシオがいる範囲には入っていましたが

シオの性格から(繊細で警戒心が強い)そんなに移動する?と疑問に思いつつポスティングと聞き込みをしたエリアでした。

 

半信半疑でしたが、胸はドキドキしっぱなしで、翌々日始発でその場所に向かいました。

 

すると、写っていました。

シオです。

 

約2ヶ月間、何の情報も無かったシオがそこに写っていたんです‥。

 

 

 

 

 

 

猫の脱走-4【オンラインフォローを受ける】

11月、何をしてもシオに辿り着けないのが苦しくて

ペット探偵さんのオンライン捜索フォローを受けました。

 

LINE通話で1時間、

シオが潜んでいると思われる範囲や今後飼い主がやるべき事、

ポスティングや聞き込みのコツなどをしっかり教えていただきました。

 

改めて頑張ろうと前向きな気持ちになり

チラシの増刷を発注し、週末は全てポスティングに費やしました。

 

ポスティングをしつつ人に会えば聞き込みをしました。

「生きる為にエサ場に立ち寄ると思うのですが

この辺で猫にエサをあげている人を知りませんか?」という具合にです。

 

親切に教えてくれる人もいましたが、ご年配の方は

「この辺に野良猫はいないし、そんな良い猫はとっくに誰かに飼われてる」

と口を揃えて言いました。

 

こっちは必死に探してるのに、嫌な気持ちになりますよね。

既に飼われてる、その可能性はゼロじゃないけど、それを確かめる為にもこうして時間使っているんじゃないのか?と。

 

他にも、チラシは迷惑だから持って帰ってと言われたり

「こんなところまで来る訳ない」とチラシを受け取ってもらえなかったり

「猫にこんな金かけて!」と怒鳴られた時もありました。

 

色んな人がいて、色んな価値観があるから仕方ない。

忙しい中、話を聞いてくれただけでもありがたい、と思って配り続けました。

 

そんな中、偶然知り合いに会いました。

知らない人だと思って聞き込みをして、見覚えのある顔や声に「●さんですか?」と聞いたところ、ご本人でした。

 

チラシを配るんなら、出張修理をやってる電気屋さんにも手伝ってもらえば良いと紹介してもらい、

その方のツテで、郵便局員さんや農協、役所にお勤めの方にも協力していただく事になったんです。

 

郵便局員さんには配達員の方々にシオの情報を共有していただき

配達の際に道路や庭を気にして見てもらえる事になりました。

 

農協の方には農協が管理しているビニールハウスの中を確認したかったので

許可をいただいたりしました。

 

役所の方には、ハクビシン等を捕獲する捕獲器を貸して頂きました。

 

並行して増刷されたチラシを新聞の折り込み広告として出し、

(日曜日ならゆっくり見てもらえるだろうと日曜配達分に入れてもらいました)

その数週間後にポスティング業者さんに配ってもらい、シオが潜んでいる範囲をカバーしました。

 

シオを見つける為にやれる事をこなしていると少しずつ気持ちが安定していきました。

 

でも、対照的に主人は無気力になって、気付くと出社していませんでした‥。

 

 

 

 

猫の脱走-3【生死の分からない猫を探す日々】

名探偵キャッツ(猫探偵)さんに依頼した時

プロに頼んだのだからきっとシオは見つかる」そう思っていました。

 

しかし、いくら探しても野良猫を見かけるだけでシオが見つかる事はなく

捕獲器を仕掛けても、同じ猫が入るだけでした。

 

キャッツさんとの契約が切れ(カメラに写らない猫の再契約は労力の無駄だと断られました)、目撃情報もなく、

生死すら分からない猫を家族だけで探す事になりました

 

教えていただいたノウハウと

ネットで調べた情報をひたすら実践していく日々が続きました。

 

迷子猫チラシの連絡先がキャッツさんだったので

新しい物を作りプリントネットで印刷し改めてポスティングしました。

 

猫が隠れていそうな場所、外飼いの犬のお宅、獣道の様な場所にカメラを設置しました。

 

預け先の近所の人は皆さんいい人で

カメラの設置も快諾してくれて「早く見つかるといいね」と声をかけてくれたり

犬の散歩コースを変えてシオを探してくださる方もいました。

 

しかしながら、数日カメラを仕掛け、シオが写らなかったら場所を変えて仕掛ける。

これを何度も繰り返すうちに、もうどこにカメラを仕掛ければいいのか、どこを何回探せばいいのか分からなくなりました。

 

そもそもシオは生きているのか。

脳裏に過る疑問を払拭する為に、獣道や草が生い茂っている場所を歩き回ったり

犬の散歩をしている人に「10月に入ってからカラスが群がっていた所を見たことがあるか」と聞き込みもしました。

 

何をしていてもシオの事が頭から離れず、毎日探す事が出来ないもどかしさにイライラし、

ネガティブな思考回路からも抜け出せず、この頃が精神的に一番辛かったと記憶しています。


毛色が似ている動物を見ては泣き

シオの写真を見ては泣きました。

生き別れは何て辛いのでしょうか。

「誰か助けて!」と心で叫び続けていました。