あ…朝、です。仕事の合間にうとうとしながら目覚まし代わりにぱちぱち打ってたら…。

なので、中身の再確認してませんが。とりあえず今UPしておかないと週末更新予告が嘘になるのは確実なので、UPしておきま~す。

変なところがあったらこっそり教えて下さいな苦笑


それでは、今回少々長いですが完結編です。

楽しんでいただけると幸いですニコ

では、読んでやるか、という方は以下からどうぞ~ハート










 告白4

~想いの行方~





「お待ちしておりました、敦賀さま。こちらへどうぞ」

「ありがとう」


  ―― さて、今日はいったい何の用なんだろうな…


 ローリーからの呼び出しが急なのは今に始まったことではない。用件が電話で伝えられることもほとんどない事が多いのも同じくである。

 今日も、その例に漏れず、仕事が予定通りに終わり、さぁ、帰り支度を。と思っていたところへの呼び出しだった。

 何となく気乗りのしない蓮ではあったが、特に用事や断る理由があるわけでもなく。事務所でまだ調整があるという社を送り届け、蓮は約束の時間に屋敷へとやってきたのだった。


 褐色の肌の執事が静かにドアを開け、中へと促される。

 案内された部屋ではワイングラスを片手にローリーがソファーで寛いでいた。


「おう、来たか。相変わらず時間通りだな…。どうだ、一杯?」

「いえ、車でこちらに来ていますし…」

「飲んだところで酔えるわけもないし、か?」


 その言葉に、蓮の眉がピクリと動く。


「今日の呼び出しの理由は何か教えていただけますか?」

「冷静を装ってるつもりか知らんが、素が出てるぞ。まったく。そんなになる前に行動しろってんだ…このヘタレ」

「社長…おっしゃりたいことがそれだけなら帰らせていただきます」

「…『俺』 は構わんがな」

「……?」


 ローリーの言わんとしていることが分からず蓮が疑問を口にしようとしたその時。

 蓮の視界の端に、続き部屋のドアが開くのが映った。そして中から出てきた人物を見た途端、ローリーを、ぎっ、と一瞬睨みつけて 「失礼します」 と挨拶もそこそこに踵を返して退室しようとしたのだが…。


「待ってください!!」 


 呼び止めたのは、蓮がここしばらく会いたい気持ちを押さえて会わないようにしてきたキョーコの声。

 気を抜いたら走り寄って抱きしめてしまいそうな衝動に駆られるのを必死でこらえて、蓮は振り向かないまま絞り出すように低い声で答えた。


「何か用?」


 キョーコが怯んだことは気配でわかった。頼むからこのまま行かせてくれと願う蓮の気持ちは、しかしキョーコに届くはずもなく。


「どうして避けるんですか?私、何か悪いことをしてしまったんでしょうか?私がしたことで怒らせたなら謝ります。教えてください」


 必死な声で食い下がるキョーコに、蓮はぐっと両手を握りこんだ。そうでもしないとキョーコを引き寄せてしまいそうになる。他の男に告白したキョーコを、自分の腕の中に閉じ込めようとしてしまいそうになる。キョーコが選んでしたことで、責めるようなことではない。自分が勝手に苛立って、怒り、避けていただけなのだから。


「別に君は悪くない」 

「なら、どうしてこっちを見てくれないんですか」 

「・・・・」 

「敦賀さんは…理由もなく怒る方ではないはずです。やっぱり私が何か…」 

「だから別に怒ってなんかいない!」 


  ―― これは自分に対しての怒り…負の感情だ


 怒っていない、とは説得力のない言葉だった。苛立ちと怒りのこもったその言葉を聞けば、聞いた側の者はその言葉の矛盾を感じるだろう。蓮の負の感情に敏感なキョーコなら尚更。


「だったら…私のこと…本気で嫌いになられた、ということですね」 

「なっ!」


 何をいうんだ、と思わず振り向いた蓮。その蓮が見たのはぽろぽろ涙を流すキョーコだった。

 

「ごめんなさい、そんなことにも気づかなくて」

「最上…さん?」

「本当にすみません。ずっと、お気遣いいただいてただけなんですよね。ずうずうしく勘違いしてた私にいい加減呆れて嫌いになられてたのに…。そんなことにも気付かないで敦賀さんに告白しようと練習までしてたなんて」 

「え?」 

「私、二度と敦賀さんの前に現れませんから安心して下さ「ちょっと!」」 

「ちょっと待って!今、なんて?」 

「っ!だから、二度と現れませんからって」 

「ちがう!その前…練習してた、って」 

「え!?あ、っ!す、すみません。忘れてください。本当にすみませんっ」 

「あの…告白は、練習だった?それも、俺に向けての…」

「えええ?み…見られてたんですかっ?」


 キョーコの問いに蓮はやや呆然とした様子でこくりと頷いて返事をする。 


「だから、ご迷惑なのは承知してます!本当にすみません、忘れてくださいっっ!」


 土下座しようとするキョーコだったが、それは叶わず。気が付くと蓮の腕の中に抱きしめられていた。 


「つ、敦賀さん!何のいじめですか!」


 慌てて蓮の胸を押し返して僅かな隙間をつくり上を見上げる。と、そこには痛みをこらえるような蓮の顔があった。 


「ごめん、君を泣かせた」

「な、泣いてなんか…」


 顔を背けようとしたキョーコだったが、蓮の腕の中に閉じ込められているせいで完全にその表情を隠すことはできない。


「忘れるなんて、できるわけがない。練習だとしても、君が誰かに告白する姿を見たショックは大きすぎたから…。子どもじみた対応だと分かってはいたけど、君に会うのが辛かった。会えば必ず責めてしまうと思った。あの相手が誰なのか、って。そんな資格、俺にはないのに」

「敦賀さん…」

「俺じゃない相手に 『好き』 だと言う君を想像しただけでどうにかなりそうだった…」


 しばらくの互いの沈黙。

 そして先に言葉を発したのは、不思議そうに首を傾けたキョーコだった。


「…?言ってませんよ」

「え?言ってないって…さっき、告白の練習をした、って」

「ちちち、ちがいますっ!れ、練習は、ですね。その…声をかけて肝心の一言にこぎつけるまでを」

「そんな雰囲気じゃなかったじゃないか」


 蓮はその場面を思いだし、思わずむっとした表情でキョーコに告げると、キョーコは理不尽な怒りと恥ずかしさから思わず顔を真っ赤にして叫ぶように言った。


「どこまでいじめっこなんですかぁっ!本当に好きな人に言いたいから、練習とはいえその一言は言えなかったんですっ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」


 思わぬ言葉に、蓮の表情が無表情に変化する。


「あ・・・・」


 蓮の無表情に思わずしまった、と口を押えるキョーコ。それを見た蓮のその無表情が一気に神々しいまでの破顔に変わる。

 完全に二人だけの世界に入ろうとしていた瞬間。


「これで一件落着、だな。ところでお前たち、ここが俺の部屋だ、ってことを忘れてるよな」


 にやり、と笑うローリーにパニックになったのはやはりキョーコであった。


「いゃぁぁあぁ~」


 顔を真っ赤にして、蓮の腕の中から逃れようともがくが、がっしりと捉えられていてそれは叶う筈もなく。

 そして、そんなキョーコを余裕の表情で抱き留めながらローリーへと向き直る。


「そうですね。この先はここではできませんから」


 キョーコが蓮の変貌についていけないままパニックになっていることを承知で、蓮はキョーコに告げる。


「…続きは俺の部屋で、ね?」

「へ?な、なにが『ね?』なんですか…?」

「そういうわけですから、失礼します。このお礼と報告はまた後日お伺いしてきちんとしますので」

「おう、礼はいらんから報告をまってるぞ」

「はい。ありがとうございました」

「ふえぇぇぇぇ~???」





 こうしてお持ち帰りされたキョーコと、持ち帰った蓮がこの後どうなったかはローリーと社、奏江だけが秘密の告白を受けて知ることとなる。


 一般のお茶の間のファンたちにその後が知らされるのも、遠い話ではないのであった。





 おわり



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

・キョーコちゃんが誰かに告白しているシーンを、蓮が目撃。

・実は蓮への想いを自覚したキョーコちゃんが告白を練習中。 ← 練習相手はおまかせします。

・蓮様は身を引くために、キョーコちゃんを避けまくる。 

・理由もわからず避けられたキョーコちゃんブチ切れ。


以上がyununoさんからいただいたリク内容でした。

クリア、できてますかね…?

最後のキョーコのブチ切れ、だけがいまいち…。こう、切れが悪いというか何と言うか…はは


yununoさん、こんなのでよろしければもらってやってくださいラブラブ

あと、このリク作品は持ち帰りフリーとしますので、気に入った方がいらっしゃったらどうぞ苦笑

(…だから連載物はきっと持ち帰り需要が少ないって汗


この次は、久々に『妖~』にいきたいと思います。

来週末にUP…できるといいな。ひょっとしたらできないかも、ですが。

気が向いたら覗いてやってくださいませ~ニコ

(って、更新できてなかったらどうする気だよ!ガクリ




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