「お疲れ様」

 

朝から夜まで仕事が入っていた俺を智くんの笑顔が迎えてくれた。

今日は一日、ライブフィルムのプロモーションで。

舞台挨拶から始まって、関係者への挨拶回りまで。

食事の時間もゆっくりは取れなかった。

 

誕生日に独り、家で過ごさせることになってしまって。

少しでも早く帰宅したい想いをジリジリと胸で焦がしながら。

その想いは不完全燃焼に終わった。

 

 

「ごめん、智くん」

 

こんなに遅くなる想定じゃなかった。

ゆっくりと智くんとお祝いのシャンパンを開けるくらいの時間は取れる。

そんな風に考えてた。

 

 

「なんで謝るの?僕たちの映画でしょ?

ホントなら僕が謝らなきゃいけないところだよ。

ごめんね。

名前だけのリーダーだけど、いるといないとでは違うよね?

翔くんのことだから、僕の分まで頑張ってくれたんでしょ?」

 

困ったような情けないような表情。

俺が首を振って否定しようとすると・・・

智くんの指が一本。俺の口唇の前に立てられた。

 

 

「ありがとう。

僕がゆっくり休めてるのは翔くんのおかげだよ。

関係者への挨拶はリーダーも一緒に、って。

言われてもしょうがないと思ってた。

ありがとう・・・・」

 

智くんからのハグは久しぶりな気がする。

ギュっと力強くて優しく回された腕はしばらくそのまま回されていて。

俺の緊張しきった肩の力が抜けたタイミングで背中をポンポンと叩かれて。

ゆっくりと腕は解かれた。

 

 

「誕生日のお祝い、今からさせてもらえる?」

 

「喜んで」

 

智くんがふわっと微笑んだ。

あぁ、俺、今日一日、この顔を見るために頑張ってきたんだ。

大野も一緒に、って言う会社の人間をなんとか説き伏せて。

他の3人にも同意を得て。

 

 

二人だけの誕生日パーティの始まりの合図。

音を派手に立てて、頬にキスをした。

まずは風呂でシャンパンを二人で飲んで。

それからベッドで二人だけのお祝いをしよう。

 

ごちそうもアルコールも派手な飾り付けも何もいらない。

 

俺らに必要なのは愛を交わすための時間と抱き合うだけのスペース。

ただそれだけ。

一晩中、踊るように抱き合おう。

 

この時間だけはお互いだけを見て。

お互いのためだけに存在するんだから。

 

 

 

☆★

 

ちょっとイレギュラーな感じなんだけども(笑)

きっと櫻井さんは今日は一日忙しかったんじゃないかなぁ。

 

大野さん、お誕生日おめでとうございます!

 

 

以前、宇多田ヒカルさんは人間活動をしたいから、とお休みしました。

大野さんのお休みも同じようなものだと思ってます。

そのうち、きっと身の振り方が決まるんでしょうねぇ。

 

 

ワタシもライブビューイング付き上映の夜の部のチケットが無事取れたので。

二の姫と一緒に行ってきてる・・はずです(笑)

 

一昨日、見たばっかりなのにね〜