痛み止めは飲んでないのに、わずかな移動時間で眠ってしまった。

声をかけられて、いつものように起き上がろうとして。

痛みを感じて、あっ、と思う。

ゆっくりと起き上がる。

 

なんでかな?

眠くなる時間帯じゃないのに、なんか・・・眠い。

 

レッスン場に入ると、もうみんな揃ってた。

マネージャーに肩を借りている僕を見て。

みんなの顔が険しくなった。

 

 

「おはようございます。

え・・と。

ごめん・・・・こんなことになって・・・」

 

頭を下げると、僕の動きに合わせてマネージャーも一緒に腰を折る。

スッと近づいてきた翔くんがマネージャーと代わる。

腰をぐっと支えられて安心感が段違い。

僕からも腰に手を回して翔くんに頼る。

 

レッスン場の隅っこにパーテーションで囲われてて。

ベッドというか診察台が置いてある場所がある。

レッスン終わりにトレーナーさんにメンテナンスしてもらう場所。

 

翔くんがメンテナンスのスペースに向かう。

ぐいっと力強く腰を抱えられて。

急ぎ足で向かうペースに付いて行けなかった。

 

 

「翔くん・・・待って!」

 

声をかけたけどバランスを崩しかけて・・・・

このままじゃ翔くんも巻き込んで転んじゃう!

一人で座り込もうと翔くんの腰から手を離したその時。

グイッと抱き上げられた。

 

 

「おおちゃん、無理しちゃだめだよ」

 

相葉くんが横抱きしてくれて。

カズの誘導で診察台に寝かせられた。

 

 

「はい、ここでアナタは診察受けてて。

我々が振りの確認してるの見てるだけで、本番は大丈夫でしょ?

今は無理しない。

本番前にもう1回合わせる時間取れるから。

慌てないの」

 

カズが診察台の横に跪いて。

僕の頬にチュッとキスを落とす。

いつもと変わらないその態度で、なんとなく落ち着く。

 

 

「あーニノ、ずるい!オレも!

おおちゃんにキスするんだもんね!」

 

相葉くんは横に立って、そのまま腰を折って上から額に。

 

 

でも、翔くんは・・・・来てくれなかった。