しょうがない・・・よね。

仕事がしっかりできない状況にしちゃったのは・・・

僕のせいだから。

仕事に対して、いつも真剣に向きあう翔くんには許せないことなんだろう。

わかってるけど・・・

それでもなんか・・・寂しくって・・・

怒ってるならちゃんと怒って欲しかった。

軽蔑したならしたで、言って欲しい。

何も言わずにそっぽ向かれるのが一番キツイ。

 

涙が滲んできそうになる。

痛くない左腕で顔を覆う。

 

ダンスのレッスンが始まったのか?

明日、歌番組で歌う予定の曲がかかる。

 

 

「大野さん、失礼します」

 

トレーナーの先生が入ってきた。

スポーツ医学の専門家でもあるから。

こういう時にものすごい頼りになる。

 

 

「痛みがあるのはどこですか?」

 

「右肩と・・・右の足首です。

しゃがみこんだ体勢から転びました。

転んだ時に、右肩を床にぶつけて・・・」

 

先生は僕の右肘を支えながらゆっくりと腕を持ち上げた。

鈍いけども強い痛みが起こる。

思わず呻き声が出た。

同じように右の足首も動かされる。

 

 

「うん・・・骨折はしてないでしょう。

詳しくはレントゲン撮ってみないと本当のところは分からないんだけど。

明日、朝一で病院にかかりましょう。

今のところはアイシングしながら動かさないことです。

テーピングで固定しますね。

きつかったら言ってください」

 

先生は太めのテーピングでまず足首から巻き始めた。

シッターさんの応急処置を褒めた。

同じように足の甲の辺りからぐるぐる巻いて行って。

足首に何重にもテープを巻きつけて。

ちょっと動かそうにも動かせないくらいに巻かれた。

でも、それでちょっと楽かも。

その上にアイシングを置かれる。

 

 

「この外の踝あたりが一番腫れてます。

ココらへん中心にアイシングをしっかりしといてください。

明日どうなってるか?はアイシングで決まります」

 

次に診察台の上に起き上がって、肩にテーピングしてもらう。

まず、Tシャツを脱がなきゃなんだけど・・・

右腕を袖から抜こうとして、痛みで動けなくなった。