僕が帰らないから何かあると思ったのか?

思ったより早めに休憩を入れたみたい。

僕の方に4人が近付いてくる。

 

 

「大ちゃん、どうしちゃったの??」

 

真っ先に近くに来て、僕の前に膝まづいたのは相葉くん。

手を握って優しく撫でてくれる。

 

 

「う・・んと・・・らんが駄々・・・こねちゃって。

抱っこしたまま・・・転んじゃった」

 

軽く聴こえるように話したかったのに。

言葉に詰まって、涙が零れそうになった。

ぐっと口唇噛み締めて涙が溢れるのを止めようとしてた・・・・ら。

グイって頭抱えられて、ぽよんとしたものに顔が押し付けられる。

 

 

「らんが駄々こねるなんて、いままでほとんどなかったから・・ね。

アナタ一人じゃ手に負えないことは、みんなで考えましょ。

ちょっと落ち着いたらでいいから・・・

何があったのか?話できる?」

 

ぽよんとしたものはカズのお腹だった。

頭を撫でてもらうと涙が我慢できなくなって。

グスグス言いながらしばらくお腹に顔を押し付けていた。

ズズズと鼻をすすりながら顔を上げると・・・

みんなが揃ってた。

 

らんが癇癪起こした理由を話すと、みんななんとも言えない顔になる。

どうにかしたくても、自分じゃどうにもできないこともある。

僕が休みを申請してたって。

事務所の方針でグループの仕事が入れられたら。

もうどうしようもない。

僕の個人の仕事はなるべく減らしてるし。

夜遅くならないようにスケジュールも調整してもらって。

最大限に配慮してもらってはいる。

それでも・・・グループでの仕事となると・・・

 

全てらんが望むようにするような解決策はすぐには見つけられない。

とりあえず・・・誕生日どうするか?

考え出したけど・・・どうにもならない。

生の歌番組はどうにもならない。

 

そんな中でたった一つよかったこと。

シッターさんからの連絡。

“らんちゃんはよくお休みになってます”

 

解決策が見つけられないまま。

僕は先に家に帰ることにした。

 

もともとは明日はらんの誕生日のため、みんな休みを申請してた。

それだからか入ってる仕事はごく短時間のもの。

 

カズは明日は映画関係の取材が数件。

翔くんは午前中、取材で郊外へ。

相葉くんは昼過ぎから雑誌の取材。

 

相葉くんがこの後、うちに来てくれることになった。

 

「しっかり振りを頭に入れてから行くからね!

待っててね!大ちゃん!」