マネージャーさんに家まで送ってもらった。

結局、何一つ、仕事はしてないから・・・

申し訳なくって。

地下の駐車場から家まで一人で行けるって言ったのに。

家の玄関まで送り届けてくれた。

 

タレントの体調管理も自分の仕事です、って言ってはくれたけど。

子どもに振り回されて、怪我するタレントなんて・・・

愛想付かされそう。

 

しっかりやらなきゃ、って思うのに。

できてない自分がホントに情けない。

 

努力してどうにかなるわけじゃないのは分かってる。

でも、らんのことは僕が一番よく知ってるはずなのに。

一番近くにいるママなのに・・・

らんの気持ちを分かってあげてない。

ママとして失格なんじゃないか、って。

気持ちが沈んでくる。

帰宅して手洗いして、真っ先にらんの部屋を覗く。

シッターさんの連絡通り。

らんはよく眠ってた。

涙が乾いた痕が目元にあったけど・・・

それだけ。

新しく流した涙はなさそうだった。

 

そっと髪を触った。

起こさないように、そっと。

引っ張らないように。

 

僕の・・・・宝物のらん。

泣かせるようなことはしたくないのに・・・

泣かせてるのは僕だ。

ベッドの横に座り込んで、らんの寝顔を眺めた。

 

明日、起きたらどうしようかな?

昼かららんの大好きなパンケーキでも食べに行こうかな?

ディズニーに行くための洋服も一緒に買いに行っちゃう?

親子コーデとかいいかな?

らんが喜んでくれそうなこと、いっぱい考えたけど・・・

夕方までのタイムリミットがどうしても引っかかる。

別れ際に今日みたいに大泣きされたらどうしよう?

もらい泣きしそう。

明日、仕事前には僕は泣くわけにはいかない。

 

明日・・・らんのご機嫌が治ってるといいな。

なんて考えるのも仕事中心に考えてるってことで・・・

 

 

リビングへ行くと、シッターさんがキッチンで調理をしていた。

らんの様子はスマホを使ってモニターしてくれてるから。

眠っている間は好きなことをしてもらっていいって言ってある。

 

 

「大野さん、明日の朝は召し上がりますか?

らんちゃんの朝食の下ごしらえをしているのですが。

ついでなので一緒にお作りしますよ」

 

「あー・・・そうですね・・・相葉くんが来るので・・・

お手間じゃなければ3人分下ごしらえだけお願いしてもいいですか?

仕上げは相葉くんにお願いしますから」

 

「承りました」