「天のご加護があるのかもしれないね。

大切な子どもであるサトシを守るための指輪かも」

 

「翔くんのことも守ってくれるよ。

だって・・・翔くんの指輪もあったかいんだよ?」

 

サトシが俺の薬指に指輪を着けてくれる。

俺の指にもピッタリと嵌って・・・指輪が温かい。

 

 

「温かいね・・・サトシの相手として、認めてもらえたのかな?」

 

「うん!もちろん。

僕が翔くんのところに落ちた時点で認められてるんだよ」

 

「そっか・・・・サトシが俺のところに落ちてきてくれてよかった。

すごいしあわせだよ」

 

「僕も・・・翔くんに大好きになってもらえてよかった・・・」

 

キラキラと七色の光の中で輝きを増していくサトシ。

 

 

「サトシ・・・綺麗だ」

 

「翔くんもね・・・」

 

サトシに言われて気付いた。

俺も七色の光で覆われている。

二人が寄り添うと、渦を巻くようにしてまた光が強くなる。

 

 

「大好き・・・」

 

もう一度、誓いのキス。

お互いに誓うのではなく。

今度は天に対して。

 

サトシのしあわせを守り続けていきます。

しあわせの涙しか流させません。

いつか、俺が天に召される日まで。

 

好き、のキスだったけれど。

さっきサトシに対して誓ったことを、天に対して心の中で誓った。

俺の体感としてはあっという間のキスだったけれど。

実は長いことキスしてたのかもしれない。

ノックの音で我に返った。

 

 

 

ケーキを載せた皿がテーブルに置かれた。

皿には花が飾り付けてあった。

メニューの写真で見るよりも豪華に飾り付けられていて。

祝福をされているように思った。

 

サトシも同じように思ったのか?

嬉しそうにフォークでケーキを掬い取ると、俺の口元に差し出した。

 

 

「はい、翔くん」

 

「ファーストバイトだね?じゃあ、サトシにも」

 

同じフォークで同じケーキを分け合った。