私も年老いた。
昔は、映画=エンターテイメント
日常生活とは乖離した、SFX超大作や驚異的なアクション作こそ映画
静かな映画なんてTVで十分だ、と思っていた。
だが、お酒の好みが圧倒的なボリュームの生原酒からまろやかで上品なお酒に変わったように、
(無論、その時期に合った酒質というものはあるが)
映画も静かな心にしみいるような潤いのあるものを欲するようになった。
心が渇いているのかもしれない。
それとも残り少ない人生、逝き方の準備を脳が自然に始めているのか
そんな訳で?木曜日の夜にレイトショーへ。
この時間帯だと本当の映画好きしかいないし、1,000円で観られる
予告編で心惹かれた100歳の少年と12通の手紙
号泣覚悟で出かけた。
結果はほっこり、涙は出なかった。
テイストは、パコと魔法の絵本
に似ている。
あれほど奇想天外なファンタジックさはないが、
ところどころにそのテイストが散りばめられている。
迫り来る死と対峙し、生を追い求めるかわいそうな少年オスカーという描き方はない。
突っ張った生き方をしている中年女性ローズとの交流を通して、
安らかに死を迎える少年の姿が描かれている。
その課程で、オスカーを助けているはずだったローズが、
実は救われているのは自分だったことに気付く。
神様 オスカーに出会ったおかげで
私の心は一生愛に満たされます
というローズの言葉は印象的で、心に沁みた。
神様(私は信じないが) 子供たちに恵まれたおかげで
私の心は一生愛に満たされます(多分)
と心の中でTweetした。
涙は出なかったが、寒空の下に出ても心はほんのり温かく、足取りは軽やかだった。
何となくしたくなり、スキップしながら駐車場に向かった。
もちろん、周囲に人がいないことを確認してね。
唯一、オスカーの両親の描かれ方は、あんまりだったな。
子を想うあまりのことなのに・・・・・・
逃げてると言われれば、そうかもしれないけれど・・・・・
子を持つ親として、心が痛んだ
満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★
CP ☆☆☆☆☆☆☆☆★★