尾張富士 | えりっき脳内議事録(えり丸)

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Diary and memo written by a pathologist.

【この記事はYAMAPに掲載したものを加筆・修正して掲載しています】

 

とある方から、神体山登山でしたら尾張富士がおすすめですよとのアドバイスをいただきましたので、愛知県犬山市の尾張富士に行ってきました。尾張富士には以下の伝承があり、石上げ祭という奇妙なお祭りが有名です。

 

尾張富士と隣の本宮山が背比べをしたところ、尾張富士のほうが僅かに低かった。その夜、池野村の庄屋の夢枕に木花咲耶姫が現れ、「本宮山に負けてくやしくてしかたない。私のてっぺんに石を持ち上げてくれれば、願い事を叶えよう。」と告げた。石上げ祭りは、この伝説に因む。

 

では、実際に2つの神社および山を比較してみましょう。

 

 【大宮浅間神社】 

祭神: 木花開耶姫・天照大神 

社格: ― 

創建: 729年 邇波縣主の末裔、道直の勧請 

奥宮: 尾張富士 

標高: 275.04m 

 

【大縣神社】 

祭神: 大縣大神(≒大荒田命?)※ 

社格: 式内社(名神大社)、尾張国二宮 

創建: 第11代垂仁天皇27年(3~4世紀) 

奥宮: 本宮山 標高: 292.84m

※大縣大神は神八井耳(神武天皇の皇子)の末裔で、後裔は邇波氏に繋がっていきます。戦国時代の丹羽長秀など、まさにこの神様の末裔と言われています。犬山にある東之宮古墳では、現代を生きる丹羽氏の寄進を多く認めます。さらに、尾張氏を婿養子として迎え入れ、彼らの濃尾平野移住を助けたようです。 

 

上記をみると、背比べをしていた2つのお山(お宮)はどちらも丹羽氏の縁のようです。そして、やはり本宮山のほうが格上であると思われますね。この状況をみるに、木花咲耶姫の願いは叶わないと思いますが、どうでしょうか? 

 

ところで、石上げだったり、豊年祭だったり、奇祭を行うのが丹羽氏のカラーなのでしょうかね。 なかなかに、興味深い土地柄です。

 

*****

 

大宮浅間神社にほど近いカフェ、五条さんで、少し遅めのモーニング。店内はほぼ満席なくらいに賑わっていました。このボリュームでトータル650円はお値打ちです。ちなみに、小皿は温泉卵。

 

まずは大宮浅間神社(本宮)にご参拝します。

 

献石は当社の御由緒に因るもので御参詣のお方は御祭神の御思慮に副い奉るよう御石を受けて御祈願下さい。 とのこと。なるほど。では、私も1石お運び申し上げます。銀色の石が人気なのか、売り切れていますね。

 

凄い数の献石です。篤い信仰があった(いや今も続いている)のですね。

 

中宮に到着です。この時点で既にしんどい!石が重すぎるんじゃないのこれ!?とりあえず、ウインドブレーカーを脱ぎましょう。

 

さらに登ります。途中、2個の献石が倒れていました。

 

急な山肌にも献石がいっぱい。

 

奥宮到着!やった~!

 

お宮の隣にはこの様に献石の山ができています。私もお供えしましょう。よっこいしょ。

 

私は基本的に神社で願い事はしません。いつも神社では、季節のご挨拶または、自身の決意表明を述べています。ですので、尾張富士さんの願いが叶うようにと願い事を書きました。

 

帰り道は別ルート。句碑の道といって、俳句が刻まれた沿道にたくさん並んでいました。写真は俳聖苑という広場です。

 

山には、本場の富士山とおなじく、金明水と銀明水という湧き水があります。金明水の近くで、ショウジョウバカマの群生に出会いました。

 

最後に、御朱印。尾張富士の御朱印は「登拝」って書いてほしいかも!?

 

いやあ、とても面白い山ですね。歩くのにプラスαで楽しめますのでお勧めです。

ただし、登山道は結構急でゴロゴロの石も多いのでご注意を。