金メダル男の感想。
この作品はフィクションであり、ノンフィクションでもある。
フィクションとしては、ヤマがあっという間に過ぎ去ってしまって物足りなさを感じる。
でもノンフィクションで見れば、人生ヤマなんてそうそうない。
そう思うと、この映画で描かれている泉一の人生はリアルに近いのかもしれない。
人生は予期せぬことばかり、だから人生は不思議。
1人の男の人生を眺めながら、最後にはじんわりと胸が温かくなるそんな作品。
誰でも人生の中で一番頑張ったことがある。
辛いときに「あの頃と比べたら!」と糧にすることもある。
何かに時間を費やした(努力していた)ことがある人は共感できる映画だと思う。
それは部活でも文化祭の出し物の1つでもなんでもいい。
泉一にとって、一番頑張っていた(輝いていた)時期は表現部になるのかな?
努力が実を結ぶ人なんてほんの一握り。
部活だって日本一になれるのは1人(組・チーム)だけ。
でもその努力していた時間はけして無駄などではなく、必ず将来どこかで役に立つ。
泉一が遭難したあの時のように。
技術とかでなくても、精神的に支えになったりするもの。
泉一のように一等賞を目指さなくても、努力していた時間はかけがえのないものとなる。
時間が経てば辛かったことでさえも、いい思い出となっていることが多い。
人生の中で自分を支えるものがあれば乗り越えられる。
泉一の場合は支えてくれたのは家族。
作った人が家族大切にする人だから余計に家族の支えがみたいな感じになっちゃったけど。
支えるのは、家族に限らず趣味でも思い出でもなんでもいいと思う。
応援してくれる存在も大切だけど、息抜きとか安らぎとか心をリフレッシュできるもの、
心を支えてくれるものがあればなんでもいいと思う。
個人的にはそれが監督なわけで、映画あるからこの日までは頑張ろうとか思うからね!!
映画の客層は高校生が多いらしい。
社会に出てたら、仕事(一瞬)のために長い時間をかけて準備することになる。
その長い時間が(=努力しても)評価されないことも多い。
頑張って作った資料がいらなくなったと言われることだってある。
その時はすごく落ち込むし、何のために頑張ったのだろう…って思う。
でも評価されたときはすっごく嬉しい!!!
そして手伝ってくれた人や支えてくれた人には感謝の言葉も大切!!!
この映画を見て思い出したことがある。
芸能人社交ダンス部で全国3位になったとき、優勝を目指していたからガッカリしていた。
コメントもね、みんな喜んでいなくてね、監督以外。
監督はそんなメンバーに「3位でもすごいことだよ!みんな喜ぼうよ!」と。
なんかこのコメントにらしいなぁ~と。
監督自身が、努力の人。
そして、頑張れば・努力すれば自分はできると信じている人。
今までピアノだって、社交ダンスだって、バク転だって、ドーバーだってやり遂げた人。
大車輪だって。他の人には無理やり努力とか頑張りを押し付けない、優しい人。
「辞めたっていいんだよ。辞めるのにも勇気が必要だよ。」
そんな優しい人が作った映画だから、温かい気持ちになれるんでしょう。
なお、監督が結婚し子どもができたからこそ、この作品は完成したのだと認識してる。
頼子がいい女すぎる!!!
エピソードも監督が実際にあったことを書いてるようだから、登場人物も実際にいる人をモデルにしているんだろうなぁ~と推測している。
かっぱ巻きの余り食べてるのとか、監督ファンならではの楽しみ方もできる!
今日の上映は満席の会場もあったようで、じわじわと広がってくれるといいなぁ~と。
配給が大手じゃないから上映回数はすぐに減らされてしまうけど。
見られる限りは映画館で見たいと思っている。
何回見ても飽きない、むしろ何回見ても面白い。
1.完成披露試写会 2.初日舞台挨拶生中継 3.初日舞台挨拶
4.今日(午前) 5.今日(午後)
5回も見てても、また土曜日見に行こうかと思ってる。
あと塩尻に行く予定なので、ロケ地巡りも楽しみだ!!!
原作でもある「東京オリンピック生まれの男」。
楽日のスタンディングオーベーションをしていた時の気持ちが、映画を見ると思い出す。
あの舞台と同じ余韻が味わえる。
舞台と多少変わったところはあるが、見終えた後の余韻は全く一緒。
監督のファンでよかったとそう思える作品。
なおかつ、この言葉を監督に問いかけたくなる。
「次は何をされるんですか?」