あの日から20年。


神戸市に住んでいた僕はまさに直下。
いまだ鮮明にあの瞬間の映像は記憶に。



早朝、大型フェリーの三等席で大嵐に会ったような
激しい揺れで目を覚ます。



寝ていた布団ごと、和室の部屋の端から端まで吹き飛ばされ、
天井の電気は粉々に割れて顔面に振り注ぐ。


揺れで起き上がることができず、布団で必死にガード。


揺れが少し収まり、ダイニングに出ると、
食器棚とそこから飛び出した食器が粉々に割れており、
素足の裏に破片が突き刺さり、血まみれに。


痛さを感じる余裕もなく、
マンションの外に飛び出すと、
ご近所の皆さがたんが、パジャマ姿、ネグリジェ姿で
道路に茫然自失で立っている。



ある家族は、かろうじて元木造家屋とわかる、
瓦礫の山の向かって
「おじいさーん、おじいさーん」
と叫び続けている。



車に飛び乗り、慌ててラジオを聴く。

地震があったらしいことはわかったものの、
その規模や被害はわからない。


まずは生後3日の子どもが入院している

病院の状況が気になる。


車でそのまま、人口島ポートアイランドの市民病院へ。

国道に出て、その惨状に唖然となる。

道路際に建っていた、マンションやビルが倒壊し、
道路にコンクリートの巨大な塊がゴロゴロ転がる。

ハリウッド映画「インディペンデンスデー」の映像のようだ。


そのまま、ポートアイランドに渡ろうとするも、
人口島に架かる橋は警察が通行禁止に。


車を橋のたもとに捨て、
数百メートルはあろアーチ型の橋を歩く、歩く。


橋の中間地点で、橋を繋ぐ部分が地震で外れ、
はるか下の海が見える。

おそるおそるその部分をジャンブ。



そのまま人口島へ。

橋を渡り、人口島に着いた瞬間、
体の半分が地面のコンクリート道路に沈み込む。



???


コンクリートが沼のように体を
吸い込んでいく。。

後から知ったのは、
液状化現象だった。


コンクリートの沼をかき分け、およぎ、
子どものいる病院へ。

さすがに当時は近代的な病院だったため、
病院の倒壊はなかった。



しかし、中に入った瞬間、パニックになった
患者や病院関係者で喧噪。


エレベーターが使えないため、
電機がとまり真っ暗な非常階段空間へ。
暗闇のなか、パニックに逃げ降りてくる人波を
かき分けながら、非常階段を登る。


乳児のいる病室へ。


いた!


まだ名前もつけていない
生まれた3日の大切な命。

健やかに胸っている!


よかった。


その瞬間。

朝、大阪で入っていた仕事、
取材のアポが頭をよぎる。



電気も通っていない、電車も動かない。
当時は携帯もスマホもない。


病院の中にある公衆電話へ奔る。


既に長蛇の列。


じりじりしながら並び待ち、やっとの思いで、
パートナーとして信頼するライター希子さんへ電話。

なかなか通じない。電話回線はパンク。


何度も何度もチャレンジ。



やっと通じ、
「すみません、今日は取材お任せします」


次に、明石に暮らす両親へ電話。

まったく通じない。


ままよ、
と病院の外へ。



またもコンクリートの沼を泳ぎ、
壊れた橋をおそるおそるわたり、車に飛び乗る。


しかし、もうその時間には
パニックで家族総出で逃げ惑う車の渋滞、
というより、駐車しているだけのように止まっている。



明石の実家に着いたのは、8時間後。
通常、神戸から明石は20分も走れば着く距離。
もう夜になろうとしていた。


そうだ、朝から何も口にしていない。
両親にも何か食べ物を、と、途中、コンピニに入る。

おにぎり、パン、インスタントラーメン・・・

・・・

ない、何もない。


かろうじて残っていた板チョコ一枚だけを
何とか買う。



木造の実家は大丈夫か。


明石。


大丈夫だった。門と玄関は無残に歪んでいたけれど。


「おとん、おかん、大丈夫か!」


玄関から叫ぶ


返事がない。


「みんな大丈夫かー!」


居間に奔り込む。


いない。




「いるよー」


かすかに返事。



一階は危ないと感じた両親は
二階に避難していた。



「朝から何も食べていないちがうか。
 これ食べなさい」



母から差し出された握り飯。


「ご近所さんとお米融通してもらってるから」


都会のマンション暮らしではない、
地域社会の絆の大切さを思う。


あの握り飯はうまかった。



やっと流れ始めたテレビニュースで
燃え盛る、神戸の長田界隈の町工場に

目を覆いたくなる。


1995年1月17日。


6400人を超えるといわれる亡くなった方、


そしてその家族の皆さんに哀悼の意を表します。


合掌。


生後3日だった命は今年成人式。


生かされた命を大切に社会のために使わなければと
あらためて自戒します。




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