灰が峰の展望台から呉方面の細い道路を下る・・・・灰が峰の斜面は全て杉で覆われていました。

私:『(・・?)杉の木ばかりですね。』

見合い相手(旦那):『灰が峰の木は殆どが杉の木なんです。』

私:『自然林と違うんですね?』

見合い相手(旦那):『全部、人の手で植林したんです。』

私:『会社の人たちが植林したんですか❓』

見合い相手(旦那):『(*´∇`*) 違います。戦時中に学徒動員で女学生が植林したという話です。』

私:『全部ですか?』

見合い相手(旦那):『全部、女学生が植林した。と聞いています。作業中の事故で死んだ子もおると聞いてます。岩が落ちてきて下敷きになって死んだ女の子も居ったと言うてました。』

私:『( ´゚д゚`)エー。事故死した女の子の親に保証は降りたんですか❓ 』

見合い相手(旦那):『そこまでは聞いちょらんのじゃが、戦時中の話じゃけんね、、、なかったかもしれませんね。』

私:『戦争で一番泣きを見るのは、いつも弱い立場の者ですからね。』

見合い相手(旦那):『そうですね。』

私:『呉れには戦時中の痕跡が至る所にあるんですね。』

見合い相手(旦那):『海軍の鎮守府があったけん、他所より多いかもしれません。』

呉市街に出たのはPM.04.00 前後。

見合い相手(旦那):『遠回りして帰ったけん遅くなってしまいましたね。』

私:『でも、呉湾を一望できたことで、なんで呉が西日本の拠点に選ばれて鎮守府が置かれたのか、その理由が分かったからよかったです。今日は楽しかったです。ありがとうございました。』

見合い相手(旦那)は私が御厄介になっていた家まで送り届けてくれました。

晩御飯をごちそうになって、お風呂を使わせてもらって、、、、🍵の時間をして、、、、、

PM.10.00.
電話を借りて、コレクトコールで神戸に電話を掛けた。

直ぐに親父が電話に出た。

親父:『泰っさんに代るわな。』

私:『うん。』

泰の小父さん:『どないやった❓』

私:『泰のオッチャンに、7回聞くように言われとってんけど、1時間おきに話を聞いてたら時間が足りんかって、6回しか聞けんかった。』

泰の小父さん:『6回聞けたんやったら上等や。ほんで、話の内容は、どないやった❓』

私:『一時間、置きに聞いてんけど、同じことしか言わんかった。』

泰の小父さん:『相手の人は面倒くさそうにしてへんかったかぁ❓』

私:『いいや。最初と何にも変わらん様子で話をしてくれた。』

泰の小父さん:『ええ人やなぁ。普通は6回聞かれたら、嫌な顔や面倒くさそうな顔をして文句を言うのが普通やけどなぁ。』

私:『最初と変わらず、丁寧に話をしてくれたでぇ。』

泰の小父さん:『相手の人は確かに、自分の持ち場は新型カッターやと言うてたんやな❓ トイレットペーパやない。と言うてたんやな。』

私:『トイレットペーパは呉工場では作ってない。と言うてた。』

泰の小父さん:『いや。いや。トイレットペーパというのはオッチャンらの隠語やねん。カッターで裁断する前の、でっかいトイレットペーパみたいな形をした巻紙のことでな、大きな機械に、ガッチャン❗とはめて、カッターに送って裁断するのやけどな。』

私:『オッチャンも製紙会社で仕事をしてるのん❓』

泰の小父さん:『違うけどな、オッチャンらの場合は知っとかんと仕事にならんさかいな。相手の人の職場は、もとからカッターやと言うてたか❓』

私:『違う言うてた。もともとは、高校を卒業してから、チップを山積みにしてる所で仕事をしてたらしいねんけど、もともとの会社が破たんして、その後、通産省の要請で某大手製紙会社のテコ入れが入ってから、カッターに、突然、移動になったそうな。』

泰の小父さん:『はあ。はあ。新型カッターを立ち上げるための一大プロジェクトのメンバーにピックアップされたんやな。。。ほんでも、いきなり新型カッターの仕事をやらされたんと違うやろ?』

私:『うん。愛知県?名古屋?岐阜?何所やったか・・・1か月くらい、研修に行ったというてた。』

泰の小父さん:『春日井工場へ一ヵ月研修に行ったんやな。』

私:『何で、オッチャンの方が、よく知ってるのん? オッチャンは某大手製紙会社の関係者なん❓』

泰の小父さん:『違うけどなぁ。それは、まあ。まあ。ほんで❓』

私:『一ヵ月研修から帰ってきたら、やっぱり正確な結果を出すためにはマシン、、、オッチャンが言うてたトイレットペーパーみたいな形をしたデッカイ巻紙をセットする機械やねん。それが要るということで、急遽、手近なところから手配したから新型カッターに見合わん小さな中古のマシンを据え付ける事になって、それの据え付けの手伝いもしてた。と言うてた。』

泰の小父さん:『それやったら生産に入って結果を出すまで何日もなかったやろ❓』

私:『うん。ほんまにギリギリで、なんとか間に合うた。と言うてた。ギリギリで間に合うたんはええねんけど、呉工場で結果を出した途端、全国の主要工場に新品の新型カッターとマシンを二機ずつ据え付けたと聞かされてガックシきた。と言うてた。』

泰の小父さん:『現場で働いてる人は上の方の事情は分からんさかいなぁ。』

私:『うん。』

泰の小父さん:『今の話を聞いた限りでは、新型カッターが持ち場に間違いないなぁ。』

私:『うん。』

泰の小父さん:『話を一通り聞いたオッチャンの意見を言うで。』

私:『うん。』

泰の小父さん:『この話は、ええ話や。と、オッチャンは思う。後は、モモンちゃんが自分で決めたらええ。だけどな、背が低いやとか、顔が不細工やとか、大学を出てへんやとか、そこら辺の女の子みたいに言うとったら、幸せを掴むことはできへんで。』

私:『うん。わかってる。』

泰の小父さん:『ほな、お父ちゃんに代わるわな。』

親父:『モモンは、どないしょうと思てるんや❓』

私:『この人に決めよと思てる。無茶苦茶、行儀はええし、呑む・打つ・買うはせえへんし、、、呑んでも晩酌に350ミリの缶ビールを1個しか呑まへんと言うてるし。特別天然記念物みたいな人やから。世界中、探しても、こんな人は居らへんのんと違う❓』

親父:『うん。わかった。ほな、おやすみ。』

私:『おやすみ。』

ということで、、、、、

四日目の朝に結納の運びとなりました。

その昼の新幹線で神戸の家に帰り、、、、、

結納の品を家に飾っていました。