会社から帰るとき、涙が出そうになった。
勤務表ではあと三週間足らずで終わってしまう。
ずっと前からわかっていたことなのに、受け入れられない自分がいる。
お客様にまだ伝えられていないのがとても苦しい。
まだ今も、これから先の仕事もバンバンいただいている状況の中で、
突然辞めますって言うのはどんな反応をされるかすごく怖い。
当然、相手からすれば私はその信頼を裏切ることになるのだろうなぁ。
長時間労働の上に薄給。
辛いことの方が多かったし、不平不満ばかり言っていた。
激務で体を壊しそうになったときもあるけれど。
それでもやってこれたのはたくさんの方に
可愛がっていただいてたからだなぁ、と
今更ながら実感してしまう。
もっと仕事を続けたい。
けれどそれだけが私の人生ではない。
仕事と結婚を選択するとき、迷わず自分の幸せを選んだのに、
未だ仕事への愛着と未練がある。
相反するふたつのものに挟まれたまま、苦しかった。
彼が申し訳ないと言ったことが強く印象に残っている。
自立して、仕事をしている人の人生を変えてしまうことに責任を感じてしまうと。
そのときは一緒になることに疑問はなかったが、彼はきっと仕事を辞める時に私がこうなることをわかっていたのだろうな。
でも、辞めることにこんなにも苦しく罪悪感を感じてしまうほど、
仕事が好きで、周りのあたたかさに触れてきた。
そう考えると私はとても幸せ者なのかもしれない。