2016年2月読書メモ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

本日は、将棋界の一番長い日


棋力

定期的に指すようになると、今流行の「観る将」もまたより楽しめて一石二鳥。


少年の名はジルベール/小学館
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少女漫画が「壁ドン・あごクイ」に収斂淘汰されていく風潮に嫌気がさして幾星霜。伝説の24年組の神の一人の自伝が満を持して発売。竹宮先生と、萩尾先生と、そして「増山さん」の三角関係が非常に眩しい。トキワ荘と違って大泉サロンは、、、最後は悲劇的な解体となったわけだけど、この本の真のエンディングは30年越しに皆が揃ってのお茶会というハッピーエンド足りえても何ら不思議ではないそう思わせる。

書中ではアマデウス(萩尾先生)に対するサリエリ(竹宮先生)の苦悩を開示されているが、風と木の詩に結実される過程の竹宮先生もまたアマデウスにほかならない。そう、この本の表紙ひとつとっても書棚に飾らざるをえない力がある―。


昨今、書籍がまんが喫茶から蔦屋の変遷に代表されるが、購入されるものでなくなった今、Antiqueとしての書籍の価値を再び考えたほうがいいかもね。


教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」 (光文社新書)/光文社
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学校リスク研究所に満足して後回していていたが、これぞ社会学の真髄。そして、内田准教授は今、組み体操を一人でひっくり返そうとしているが、その根拠はコツコツと集めた「事件」統計。エビデンスベイスドメディスンとか、全体的に首肯せざるをえない構成。…ただし2分の1成人式は、気色悪いという点で100%共感するが、内田准教授の強味である「リスク」の議論とは馴染まない。

地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ (平凡社新書)/平凡社
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アイリス効果に代表される宇宙線と雲によるフィードバック効果は、伊藤公紀教授の議論に親しんでいた身としてはやっぱりかとしか思えない…そして未だに温暖化(気候変動)の呪縛が解かれない現状には絶望しか抱けない。

久保&菅井の振り飛車研究 (マイナビ将棋BOOKS)/マイナビ
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将棋世界の名コーナー「イメージと読みの将棋観」を終盤でなく序中盤で振り飛車党の2名が関西弁キャラで縦横に解説する。つい最近久しぶりに居飛車対振り飛車で急戦挑まれて受け方(さばき方)を忘れていたレベルの自分にとって初手から掲載されているのは非常に勉強になる。