最近発売されたドラクエ11やってます。久しぶりのドラクエだし、にわかですがやっぱり面白いですね。

 

7と9しかやってない自分が言うのもアレですが、なんというか、ドラクエ本編はそれぞれナンバリング毎の「オリジナリティ」を大切にしているなという印象があります。

 

というのも、外伝の作品は結構やったんですよ。モンスターズjokerとかヒーローズとか。

その中で、「ドラクエ本編のお決まりの要素入れすぎ!」ということを非常に感じてたわけです。負けたときとか、キャラが仲間になった時の音楽もお馴染みのを大したアレンジも無く使い、宿屋とかお店の人の言い回しも本編のを思いっきりコピペするわけです。

 

昔のゲームはまだ手探りでしたから、「こんにちは、宿屋へようこそ。お泊りですか?それとも、夜まで休まれますか?」といった型にハマった言葉遣いや言い回しが多く、それが独特の味わいを生み出していたことは否定できません。音楽も、当時のゲーム機の表現力の限界の中で苦肉の策として制作されたものが定着しただけだと思うのです。

 

それを、外伝作品は惜しげもなく流用するわけです。画のクオリティやゲームシステムは当然半端じゃなく向上しましたから、そことの差があまりにもちぐはぐな印象を与えます。

もちろん、それがドラクエの伝統だという指摘はあるでしょう。しかし、PSvitaという恐ろしいほど高性能の、IT時代の産物とも呼べる媒体になってまで、誰かが仲間になったら必ず安っぽい(しかもやたら長い)音楽が削られもせず流れるのです。他にも、教会でも何でも、同じ施設では同じテーマが流れ、武器や敵の種類はほぼ全部本編と一緒、ジョークの傾向もクオリティも当時のを見事に再現。「外伝作品」というのを差し引いても新しい試みがあまりにも少なく、昔のを無批判に流用している様を見て、これはもはや「伝統」の弊害だとも思えるわけです。

 

ホリエモンが「寿司屋で10年修行とかバカじゃねーの」と言っていましたが、まさにそういった「伝統」を重んじる業界の保守性をドラクエの外伝作品には感じたのです。

 

でもやっぱり本編はそこを分かってますね(笑)ドラクエ11は、言い回しこそ型にハマっているものの、ゲームバランスやユーザビリティ(遊びやすさ)の点で確実に向上、改善が見られます。何より、新しいことをしようという気概を色々な面で感じるのです。

 

いきなり3Dになって、迫ってくる敵から逃げたり、主人公は死んでも戦闘後は復活していたり、2Dと3Dを選べたり。こっちサイドの気持ちをよくわかっています。

 

また、音楽なりキャラなりもどこか差別化を図っており、今までいたようでいなかったキャラがいっぱい出てきます。世界観は似ていながら、3DSという高性能機器ならではの自然の表現など、とにかく新鮮さを大事にした作りで、ファンも新規も飽きさせない工夫が随所に見られます。

 

そうやってひとつの作品としての「個」を確立したうえで、実は過去作品とは積極的に連携しているのです。ネタばれになるので言えませんが、過去作品の世界で少しだけ遊べる「体験版」的システムをストーリーに違和感を与えない形で盛り込んで、過去作品にも興味を持ってもらおうという意図を嫌味を感じないやり方で実現させています。こういった形でなら、本編の要素を取り入れるのは素晴らしいことだと思います。やっぱり本編は凄い…