完全KO | 合掌

合掌

俺の生存記 

俺は同期のサトミと酒を飲みながら愚痴った。

 

結局俺は自部署のスタッフに。
嫌われているってことなのだろうか?

この部署に着任して1年過ぎたというのに。
いまだに馴染めていない。
というか浮いている気がしてならない。
部署異動は初めてではなく。
これまでだって俺は異動先の部署で上手くやってきた。
ぶっちゃけ。
自分で言うのもアレだけど。
これまで『自分はできる!』と思っていたが。
それは勘違いだったんだな。

 

「よかったじゃん気付けて。
あーねー、言っとくけどアタシ。
そんなことないよ~なんて言わねぇよ!!
ってかさぁアンタ。
『女ってこうだろ』ってさぁ、はなから決めてるってーかさ。
そういうとこ!
一番の原因はアンタのそういう偏見っていうの?それだよ。」

 

偏見なんて持っていないという俺に。
はいはいと言いながらサトミは続けた。

 

「女は噂好きとかネチネチしてるとかさ、
男って勝手にイメージするところない?
まぁ確かに女ってそうかもしんないけど。
けどさ、女だってさ、いざとなった時頼りになる人も、一生懸命自分の仕事をやる人がいるでしょ。
それって男も一緒なワケじゃん。
女上司とか女だらけだからとかさ、
kontaはみんなを性別で見てるってアタシは言ってんだよ。
そうじゃなくて人として見ないとダメ!」

 

俺はサトミの言葉に殴られた。
更にサトミの言葉のパンチは続いた。

 

「男の中にはさぁ、女の愛玩動物みたいになってるのもいるけどさ。(笑)
大体ね、アンタはスタッフを管理したり教育する上の立場なんでしょ。
馴染む必要なんてないじゃん。
イタズラ?ちょっかい?そんなの男の反応を見て楽しんでるだけなの。
自分が仲間外れにされないように、共通の敵として男がターゲットにされんの。
よくある女子高的なノリなんだからアンタは完全スルーすりゃあいいだけ。
アンタもさ色々思うところもあるだろうけど、会社で仕事をしていればね、うまくいかないことも認められないことも、こんなはずじゃなかったって思うことはいくらでもあるじゃん。
何を今さらって言ってんのって感じだし!
それよりもさ、昇進試験を受けたんならアンタがやるべきことは、いつでも上司の代わりができるように準備をしておくことじゃないの?
はい、論破!!(笑)」

 

歯に衣着せぬ同期の言葉のパンチに。
俺は完全KOされたのであった。

 

南無妙法蓮華経
合掌