小説塾を後輩君たちにまかせ、最近はもともと好きだった競馬のデータ集積で、わずかな年金を増やしている身としては、今年からこのブログも閉鎖しようかなと思っていたら、何人かの塾生君からおねだりメールが来て、それもとびきり美人の塾生君からですので、書けばごほうびくれる?という交換条件付きで、気が向いたときに更新することにしました。
さてさて。塾生諸君。
新しい年になって、さぞかしできもしない今年の目標を掲げたと思うんだけれど、そういう「今年の目標」を掲げた人はまず達成できないと思いなさい。
30年ぐらい前の話を持ち出して申し訳ないが、当時、ナショナル(今のパナソニックだけど)だったか、万博でプロデュースした三洋電機だったか記憶がないけれど、彼らに示したのは5年達成計画なんだね。
5年というのは、40代が50代になると、体の機能の衰えとかあって、当初の計画では破綻が来る。
本当は4年がいいんだな。
オリンピックがほぼ成功しているのは、短期集中方式の採用だからで、組み立てやすい論理によるわけだ。
では5年として考えよう。
新入社員の給料が今いくらか知らないけれど、たぶん14、5万じゃないのかな。
ではたとえば5年後、新入社員の給料がいくらになっていないとダメかな。
物価指数でいけば何パーセント上昇だから、5年で倍の30万は無理じゃないかな。
では30万もらったとしてそれでいいかな。
新入社員のとき結婚していたら、生まれた子供は保育園エイジになっているね。費用はどうだろう。子供ができるということは、それだけ部屋も手狭になる。
ひょっとしたら持ち家を買うかも知れない。
30万で無理となる。
にもかかわらず、新入社員の給料が倍になっていることはない。
つまり企業は有能な人材を生殺しにする養成所ってことになる。
だから塾生諸君は、3年で公募入選し、5年で飯が食える作家を目指している。
つまり5年後に作家になる。という目標があって、きみたちは入塾したわけだね。
では1年目の成果あるいは達成目標がクリアできたか。ということだな。
ところができていないよね。
ということは、自分の目標達成のための1年目はどうなっていないといけないか?という目標が明確になっていないと、5年計画は破綻する。
では1年の達成目標は、君たちの判定で達成できたか。というと、さて?となるね。
これは具体的な1年目標の半年目の目標が明確でないからなんだな。さらにいうと、3か月目の目標も漠然としているからダメなんだな。
ずいぶん前の合同講座のとき話したと思うけれど、目標を立てて、達成できた人は誰もいないんだね。
オリンピックで金メダルを取ったアスリートがこういっていた。
僕は金メダルをとりたい。ではなく取った事実を、オリンピックに据えている。とね。
作家になりたいではなく、作家になっている状態で、それを現実にするにはどうするか、なんだな。
私の唯一の弟子がいる。
関西に住んでいる女性だけれど、彼女はある病気で書けないんだね。書けないなら塾は辞めるしかない。
でもその彼女を彼女のご主人と相談して、塾生ではなく弟子として迎えたわけだ。
書けないけれど妄想はできる。
年に一度彼女はお歳暮を送ってくれる。
彼女にすればそれは、治療費の中から工面した金で、どんな高価なものより、私は絆の証しと思っていただいている。
身体的回復は無理でも、彼女は妄想の中で毎日書いている。
少なくとも目標なしに入塾した君たちより、意識だけは秀逸だと思っている。
作家になるため。ではなく、作家として売れる作品を世に送りたいから学んでいる。そう思ってください。
では、1か月後の具体的な現実は、どういうことになっているかわかるね。
2月、君たちがそうあるために、今日すべきことも決まっている。
それをやれば、君たちでも作家で飯は食える。