kさんが到着したのは、原っぱしかないような辺鄙な場所だった。

そこには、長屋のような平屋が並んでいた。その一軒にkさんと翔は入って行く。私も不安な心を押さえながら、後を追った。

事務所に入ると、そこには別のヤクザがいて、私の顔をじろじろと見ていた。

 

そのヤクザと翔は親し気に話している。私はさっぱり様子がわからなかった。翔がそのヤクザに向かって「兄貴~」と言っているのを聞き逃すことはなかった。やっと、わかった!翔もこのM会の舎弟として、ヤクザになったのである。

 

kさんに翔の兄貴は私のことを「あの話していた子なんだね!」と言って確認を取っていたようだった。そう言えば、Kさんの奥さんのスナックで働いていたときにお客さんとしてヤクザが何人も来ていて、私の名前を聴いたり、私を気にしているような仕草をしていたのは私のことを翔やKさんから聴いていたのだろうと思った。

 

kさんは私に「それでどうする?」と聴いて来た。どうするも何も意味がわからない。翔は私に「俺と一緒にいるんだろう!」と言って来たので、私は何も考えずに頷いた。すると、kさんは「それじゃ!彼氏と上手くやれよ」と言って帰ろうとしていたので、私は「kさん!すみません」とひと言謝った。

 

それから、私は翔と一緒にヤクザ稼業をすることになってしまった!

何で私がこんなことにならなきゃいけないのか!途方に暮れていた。