事務所の当番で何回か泊まっているうちに私は身体にできものが出来てしまった。しかも、痒くて痛いという最悪の自体であった。
兄貴Aさんに事情を話して、一駅昇りに(喫茶リオがある駅)ある病院に行きたいことを伝えた。腕にも足にも身体にもできているので
兄貴Aさんに腕のできものを見てもらった。すると、彼も納得するほどのできものだったので、病院行きを許可してもらった。
何故か、翔と一緒に行くことになってしまった。「あの!ひとりでいけますから」と言ってみたが、ふたりで行く方が翔も心配だろうからなんて言ってきた。恐らく、私がひとりで出掛けたら、逃げるんじゃないかと思っているのだろうと思った。
真実を言えば、この病院に行くということで私は実家に帰ろうと思っていたのは確かである。兄貴Aさんに見抜かれてしまったようだ。仕方なく、翔が運転する車に乗って、病院の皮膚科に罹ることになった。
診察医は、私のできものを一通り診察してから、診断を下した。
「これは、南京虫ですね。それに刺された影響で、皮膚炎を起こしています。飲み薬は痒み止めと痛み止めの軟膏をお出し致します。2週間後にまた来て下さい」とのことだった。
当時は南京虫というが、現在ではトコジラというらしい。やはり、汚い部屋などに出やすい虫だと言われた。やれやれ!こんな皮膚病になってしまうし、実家には帰れないし、最悪だ!
帰りも翔の運転をする車に乗って兄貴Aさんの自宅へと帰って行った。