今日は事務所の当番の日。府中刑務所から出所して来る若い衆がいた。翔も府中刑務所に皆と行ったらしい。若い衆が出所したら近隣のお店でお祝いパーティーを開いて帰って来ると聴いていた。

 

夕刻になると、兄貴Aさんや翔も帰って来た。そして、もうひとり強面のお兄さんもいる。今日、府中刑務所を出所したのはこの人なんだと、あまりじろじろ見ないようにしながら顔を覗いてみていた。

このお兄さんは、鉄砲玉になって何でもするらしい。つまり、ヒットマンだという。それから、驚くようなことに遭遇してしまう!

 

このお兄さんは家がないので事務所にしばらく寝泊まりするらしい。このお兄さんは突然、いなくなったり現れたりするので、気味の悪いお兄さんだと思っていた。

 

ある日のことだ。この事務所は残念ながら、トイレは水洗ではないのである。大きな穴が開いていて、そのなかに汚物を入れるという仕組みになっている。

 

この近所は原っぱばかりで、お店なんて一軒みない。平屋の長屋が続いているだけだ。だから、トイレも穴開きでも仕方がないだろう。私は東京産まれの東京育ちだから、穴開きトイレはめったに入ったことがない。しかし、トイレがそれしかなければ、そこでやるしかないのだ!

 

その日はお兄さんは確か出掛けていて、帰って来たと思ったら急いでトイレに駆け込んだはずだ。だから、お兄さんのはずだ。

 

実は、その後にトイレに入りとトイレの廻りには血の付いたトイレットペーパーがいくつかあり、穴開きトイレを覗くと血液で汚物が染まっているのだ!血の付いたトイレットペーパーは急いで、穴開きトイレに捨てた。しかし、穴開きトイレを覗くと真っ赤な鮮血で全体が覆われていて、汚物がひとつも見えない!どうしたのだろうか?

もしかしたら、お兄さん病気なのか?

 

このまま黙っておくわけにはいかないので、翔に話してみるとその理由がよくわかった。お兄さんは基本的に女性とはSEXはしないという。つまり、ゲイなのだろう!出所後にしばらくぶりに好きな相手とSEXしたはいいが、しばらくお尻を掘っていなかったので、出血してしまったのだろうということらしい。なんだ!病気ではなかったんだ!

私はひとまず安心して、胸を撫で下した。