私はいつまでも歩き廻っているので、翔は取敢えず、喫茶でお茶でもしない?と言ってきた。

どうせ行くなら、喫茶リオでも行ってみようかとも思っていた。ここで働いただけで、私の左目は翔に潰されてしまった因縁の場所でもあるから!

 

翔に「私がこの喫茶でバイトをしていたのは覚えているよね!まさか忘れたとは言わせないよ」翔はわかったからわかったからと私の怒りを静めようとしていた。

喫茶リオに入ると、私は懐かしさを感じていた。しかし、ここで働いたために私は翔に左目を殴られてしまったのだ!因縁のある喫茶店でもある。ボックス席に翔と私が座ると、早速、オーダーを取りに来た。見たことのない中年男性だった。私はアイスレモンティーを頼み、翔はブレンドを頼んだ。

 

しばらくすると、私が働いていたときにいたいじわる高校生が飲み物を運んで来た。私は思わず「お!久しぶり!」と言うと、彼は私の顔を見てハッっとした。すぐに翔も見つめながら、相当に怯えた表情をしていた。翔を見れば、外見でもヤクザに見えるからだ。翔はこの男と知り合いか?と聴いてきたので、前に働いていたときに一緒だったと話すと、翔は「家の女がお世話になったそうで、どうも!」と言うと、いじわる高校生は挨拶もしないで、慌てて逃げて行った。

翔はその姿を見て「何だ!あの男!挨拶もできないのか!」とのたまった。私は翔の姿を見れば、そりゃビビるでしょ!と言うと、翔は得意気に煙草をくわえていた。

 

翔は厨房の側にあるトイレにわざと行って、いじわる高校生をからかっていた。「おたくさんは、何処に住んでいるの?」と言ったり、「俺の女と飲みに行ったんだって!世話になったな!」など・・・・・。

いじわる高校生は、ビビりまくってしまい何も言えず、ガタガタと振るえていた。

 

そうこうするうちに私たちは、喫茶リオから出ることにした。