父から言われたことが、心に強く残っていて何だか毎日が欝々としていた。仕事に行っても、何だか頑張れないし、何処か途方に暮れているような状態だった。

 

色々と悩んだ挙句に私は、兄の奥さんを誘って新宿で遊ぼうと思っていた。遊ぶと言っても、彼女も好きだというディスコに行って騒ぐとかそんな簡単なことを意味しているねのではなかった。

 

 

私の知っている新宿のお店などに金持ちの外人たちが大勢いる。

もちろん、男性である。そういう男性たちと彼女を会わせてあげたいと思っていた。彼女はお金持ち大好き人間なので、大金を持っている男なら、家庭など捨ててその男たちと人生を謳歌すればいいと考えていたのだ。

 

 

早速、仕事が終わってから、彼女に誘いの電話をしてみた。「Hi レイラよ!私と新宿に遊びに行かない?」と、何度も電話をして彼女を誘った。私がなぜ、電話でレイラと言ったのは、私の日本名の名前を彼女はしゃべれなかったので、彼女が私のことをレイラと名付けたのである。

彼女は息子が小さいから、まだ無理だと言って断って来る。それでも私は、兄夫婦の家庭を破滅されようと考えていたので、しつこく、彼女に電話を繰り返していた。

 

ところが、この誘いは父によって遮られてしまうのだ。

 

ある日の仕事帰りに彼女に電話をしようとしていた私を知った父は

私から受話器を取り上げてしまったのだ。

そして父は「頼むから、兄さん、姉さんでもある兄妹を変な道に誘わないでくれ!」と、真剣な顔をして言って来るのだった。

私は「デートクラブに売られそうになったのに何でパパは兄夫婦を庇うのよ」と、私は半泣きで怒鳴って言った。

 

父は私に耐えてくれ!と懇願して来る。頼むから兄の家庭を壊すことだけはお願いだから、止めてくれ!

その言葉を父はしつこいほど、私に言い聴かせて来る。

 

 

父からいわれてから、私は兄夫婦の自宅にき電話をすることを止めることにしてしまった。父は今でも、私なんかどうでもよくて、兄が大事なんだなあと思った。それは、私が記憶が鮮明になる頃に恐らく、私が3歳児の頃から、父はお酒に酔って暴れてガラスを叩きながら、「俺はこの娘には世話にならない」と酔って暴れるたびに言っていたことを忘れたことはないのだ。

 

兄に世話になると何度も言っていた。だから、父は私よりも兄が大好きなんだということは幼い頃から知っていたのだ。

 

だから、オヤジよ!もう、わかったから!私はいづれ父と母の前からはいなくなるつもりでいるから。私はいづれ家を出て、一人暮らしをしようと考えていた。