目は口ほどにモノを言う。

 

 

彼女とはバイト先で知り合った。

彼女は私と同じ年齢で多少気の強いところはあるが、やさしい女の子だ。

 

彼女の目は大きい。

とても大きい。

『クリクリ』などのレベルではない大きさだ。

『ギョロギョロ』と表現した方が的確だ。

 

 

彼女は知っていた。

私に恋人がいる事を知っていた。

それでも関係を続けてくれた。

八年間も続けてくれた。

 

去年、彼女から『結婚を考えている男性がいる。』と告げられた。

私と彼女の関係は『携帯電話のメール』という現代的な方法で終わりを遂げた。

 

思い出す。

 

昔、彼女と彼女の友達とカラオケに行った時、彼女は『ジッタリンジン』を歌いながら私を見た。

『大好きだったけど彼女がいたなんて♪』と歌いながら私を見た。

フルコーラス私を見た。

ずっと見られていた。

私の顔面は引きつっていた。

 

あの『ギョロギョロとした目』は『口ほど』に『モノ』を言っていた。

 

 

さよならしてあげるわ♪

 

 

今年の冬の話。