四、『こんな散歩』交際期間三ヶ月。 小さい秋を見つけた頃だった。 人生で初めてフラれた。 衝撃は大きかった。 静かな夜が耐えられなかった。 ただ散歩するしかなかった。 歩けば歩くほど、思い出は、想い出となり、重くのしかかった。 歩いて歩いて歩いて歩き疲れても、歩いた。 ただひたすら歩き続けた。 散歩は好きだけど、こんな散歩はしたくない。 こんな散歩はしたくない。 我慢したけど、涙をこらえる事はできなかった。 だから泣いていた。