【男の涙】





浅見光彦シリーズ。



ここしばらくの夕方は“浅見光彦シリーズ”の再放送を視聴していたので、夜に働いて昼に寝るボクは睡眠時間が激減してクタクタになっていた。始発で帰宅してから眠り、昼過ぎに起きるとジャージーの裾からポコチンがヨコチンしていた。女子の皆様は知らないと思うが、疲れきって緊張感を失ったポコチンというのは相当な長さになるもので“くるぶし”と添い寝するほど長くなる。そう、男はつらいのだ。ただ残念なのは再放送されていた浅見光彦シリーズの主演が“水谷豊”でないことだ。あの“絶妙なコミカルさ”がないとボクは浅見光彦を楽しめない。“水谷豊”の後任で“あの感じ”を醸し出しているのは“沢村一樹”が演じる浅見光彦だと思う。ええ感じに“ほくそ笑む”ボクがそこにいる。



ムケメン。



ボクの所属するバンドのリーダーは極上の“ムケメン”だ。“ムケメン”とは“ポコチンの皮がムケて尚かつ薄皮までムケた完璧なメンズ”のことだ。リーダーが凄いのはサイズの方も大きくて特定地域では“キングサイズ”に認定されている。そんな“キングサイズ”な“ムケメン”は昨年の10月末日に開催されたライブ終了後の屋外打ち上げ宴会の際に“露出したい欲望”を抑えきれずに“ムケメン”を披露して騒いでいるところをポリスに囲まれ“公然猥褻容疑”で逮捕された。マラのサイズが“キング”という日本人離れした大きさだったのが逮捕の原因だと噂されている。そんな“裸の王様”は“反省”はしているが“後悔”はしていない。立派な男だ。さすがリーダーだ。偉い。エロい。それに比べて“ドラム”を担当している“ナカムラ君”は“せこいハゲかた”をしたゲーハーでみっともない恥さらしだ。ボクまでハゲてきたので訴えてやる。裁判には負ける気がしないけれど、ナカムラ君の“ハゲっぷり”には勝てる気がしない。



ムッシュ。



以前ボクが勤めていた会社の後輩に“ムッシュ”という“推定童貞”がいた。このムッシュという男は“ラグビーの試合で交代出場した瞬間に肉離れを起こし退場した”という天才肌で“推定童貞”なスポーツマンかつ“元ホームレス”だ。とはいっても10日間ほどのホームレスなので“本格的アウトドア派の人々”と比べると“素人童貞”と言われても仕方ない。どちらにしてもムッシュは“童貞”というライセンスを剥奪されることはない。



原因。



10日間ホームレスの原因は“ニート”である。実家で“本気ニート”を満喫するムッシュに“ムッシュ・タディ”が激怒して実家から追放されたのだ。行くあてもないムッシュ。20代後半でホームレスに入門したムッシュは環状線をグルグルしながら“働く決意”をしたそうだ。そしてボクが働く派遣会社へ入社してボクと同じ“某有名百貨店”へと派遣されたのだ。



鳴かぬなら殺してしまえホトトギス。



ボクが派遣の仕事を辞める直前、些細なハプニングによりムッシュの異動が決定された。それを聞いた日の夕方にムッシュが泣いた。“異動”がイヤでムッシュが泣いた。『オレは必要のない人間なんや!』と言ってムッシュが泣いた。悲惨だ。アホだ。童貞だ。それはそれは大層な“男泣き”だった。



泣くのなら、陰で泣いてよホトトギス。



ムッシュよ、その“泣き”は意味不明だぞ。そりゃ童貞だわ。誰もがそう確信した。さらに童貞は“泣く”だけでは物足りず『異動するくらいなら辞めます!』と“鳴いた”のだ。泣いて鳴くアホなホトトギス。アホホギスは仕事を辞めるまでの数週間毎日のように“職場のボス”へ敵意を顕に噛み付き、『異動は撤回したから辞めないでくれないか?』というボスの説得も、『せっかく“異動”が撤回されたんやから残ったらいいやん!』という周りのスタッフの説得も聴くことなく、『これ以上ボスの横暴を無視できないから、今後の皆が意見を通せるようにオレは皆の為に辞める!』とピヨピヨな発言をした挙句に“お世話になった人々の思い”を無視してアホホギスは約2年間お世話になった“百貨店”という“女子に囲まれた職場”にツバを吐くような形で辞職した。



行方知れず。



その後、アホホギスは職を転々とするが結局は“麻雀”や“野菜嫌い”やらの誘惑に負けて辞職を繰り返し、再び“ニート”へと返り咲いた。後は未来に鎮座する“本格的アウトドア派”へ向けて実家で待機し続けて再び“ダディ”に追放されるしかない。しかし、神様はアホホギスに“働くチャンス”を与えられたのだ。“男泣き辞職”から1年、アホホギスは後輩の支援により“某有名百貨店”へと復帰した。あれだけタンカをきって、心配してくれていた周囲の人の話も優しさも無視し、ツバを吐くような形で辞めた職場に復帰したのだ。よく復帰できたものだ。どういう神経をしているのかと疑問に思う。アホホギスにとっての“男の涙”とは安いモノだったのだ。気持ち悪い童貞だ。



ボスへ挨拶。



“男泣き”と“ボスに喧嘩を売る”という荒技で仕事を辞めたアホホギスだったが、復帰の際にボスへ『あの時は本当にすいませんでした!本当にすいませんでした!本っ当にすいませんでした!』と平謝りの連発だったそうだ。聞いてるこちらが恥ずかしくてホーケーになってしまいそうだ。現在のアホホギスは『この仕事はオレにとって天職やわぁ!』と“くっさい息”を吐き出しながら調子ぶっこいでいるそうだ。これだから“不潔な男”は嫌いだ。ちなみにアホホギスは肩にフケが降っているし、些細なことですねるし、読売ジャイアンツの上原みたいな髪型だし、ワキの破れたTシャツを着ているし、ネタを振られても返せないし、アドリブが気持ち悪かったりするけれど、競馬で勝つと焼肉をご馳走してくれたりするので“案外いいヤツ”なのだ。もう少しオシャレに気を使って、もっと前向きな思考になれば、身長も高いし、顔も整っているから“何とかなる”かもしれない。



恋人について。



その昔、後輩の“モテる男”で“あちらこちら”でセックスを楽しんでいる美男子がアホホギスに『恋人は欲しくないんですか?』と尋ねたところアホホギスは『“ひとり”が楽でいいよ!“ひとり”は気楽やで!』とボクを笑殺させるような発言をしていた。童貞のくせにだ。“ひとり”しか経験したことのない男の思考は恐ろしい。



所詮、童貞の戯言。



めでたし、めでたし。