【偉人が残した言葉】





思い切り。



人に対しての“思い切り”もモノに対しての“思い切り”も内側に“思いやり”が無ければ“雑”なだけだ。今回は真面目な話をしたい。世の中には様々な人がいる。学校の勉強は苦手だが賢い人。学校の勉強は得意だが馬鹿な人。。ズブの素人からは“凄い技術”に見えるが、経験者からは“中途半端な技術”にしか見えないことを恥ずかしげもなく自慢気に披露する人。さらにソレを自ら過大評価する人。何事も損得勘定でしか動けない人。見返りを要求する人。自分に甘くて他人に厳しい人。携帯灰皿を持っているから愛煙家だと主張する人。他人を否定することからしか他人を見れない人。他人の意見に耳を傾けようとしない人。偉大な人。頑固な人。人間は様々な人が犇めく“自由”の中で“不自由”に生きている。



年下の女性が上司。



28歳で転職してから4年、32歳になる村上達也には3歳年下の上司がいる。29歳の上司は“美人で仕事のできる女性”として有名だった。以前の会社で“できる男”として扱われていた達也は入社してからの4年間必死に仕事だけに集中したが“年下の女性上司”の“できる”には到底及ばなかった。達也は自分の不甲斐なさをよそに、過去の栄光である“できる男”として扱われていた日々に執着するようになった。気が付けば達也にとって“仕事のできる年下の美人上司”は“目の上のタンコブ”となっていた。



愚かな男。



“年下の美人上司”が担当する仕事のチームで宴会をした。もちろん達也も参加していた。2次会を終え、帰る方向が一緒の美人上司とタクシー乗り場へ向う途中、飲み足りない達也は美人上司をバーに誘ってみた。彼女も飲み足りないらしく達也の誘いを快諾してくれた。お酒の強い達也は調子にのった。“仕事”では完敗している美人上司に“凄い”と言わせたい一心でアルコール度数の高いお酒をグイグイ飲んだ。残念なことに美人上司は達也よりも酒豪だった。達也は酔い潰れて眠ってしまった。



開放。



バーテンダーに担がれながら店を出た時、タクシーに乗せられた時、タクシーの運転手に担がれてタクシーから降りた時、ベッドに倒れこんだ時、断片的な記憶はある。水分が欲しくなり目が覚めた達也は知らない部屋にいた。ぼんやりと僅かに光るスタンドライトのオレンジ色が辺りを微かに照らす。ベッドの上に達也はいた。達也はゆっくりと周りを見渡した。部屋の片隅に置かれたソファに人が横たわっている。ゆっくり近付くとそこには、いつもの神経質そうな表情とは違い緊張から開放され優しい表情の美人上司が眠っていた。その表情を見た達也は、美人上司が普段自分のことを“村上君”と呼んでいることが微笑ましく思えた。



受け入れる。



達也は知っていた。自分は彼女のことが好きでたまらないということを知っていた。けれど“その気持ち”を圧し殺していた。上司とはいえ、年下である彼女に完敗している自分に苛立ち、彼女を目障りに思いながらも彼女に魅かれている自分を認めたくない気持ちが“圧し殺す”という歪んだ結果を選ばせた。達也はベッドから毛布を取りソファで眠る彼女へ毛布を掛けた。そして素直な心で彼女の手を握った。すると彼女が目を覚ました。普段は“村上君”と言う彼女が達也を見つめて“村上さん”言った。達也は黙って彼女の唇に自分の唇を重ね彼女もそれを受け入れた。微かなオレンジ色の光りの中で“ふたり”は“ひとつ”の影になった。その日、達也は何度も何度も彼女と“ひとつ”になったが、またしても彼女に完敗した。おかげで達也の“目の上のタンコブ”は綺麗になくなり、新しいモノができた…



目の上のマンコ部。



めでたし、めでたし。