日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -7ページ目

職業訓練校の僕たち

職無し

金無し

意気地なし

ここはボンクラどもの集う場所

ぼくらがここにいる理由だって?

それは会社のせい?

社会のせい?

それとも

自分が悪いって?

なんてこった

酒を飲むために

一食抜いて

しょっちゅう飲んで

糞して

寝るだけ

そうさ

ポストの中は

返送された

履歴書の山

そうさ

ぼくらは

社会の屑ってわけ

あるごろつきの、ある朝の出来事

朝、職業訓練校に向かっていた。

日課となった弁当作りが、唯一の楽しみのようなもので。

そんな自分がひどく現実離れしたように思えて。

微かな罪の意識が頭の隅にあって。

なんてこった。

俺はごろつきなんだぜ。

呑気に弁当作ってる場合じゃないだろう。

カーステレオから流れるノラジョーンズの歌声が心地よかった。

早朝の澄んだ空気が吸いたくなって。

窓を開けると、

排気ガスの匂いに面食らって。

ウインドウを閉めた。

なんてこった。

ぼくは釈迦の言葉を思い出す。


詰まらぬものを楽しんだりするな。

お前が目指しているものこそ、

お前の真のよろこびとなるように。


なんてこった。


俺はたんなるごろつきに成り下がっちまった。

愛を語る前に、すること

誰からも愛されず、

誰からも気にもとめられず、

妻や夫からも、

憎まれ、

暴力を振るわれ、

心が荒み、

自身の不幸を呪い、

自身の無力さを嘆き、

最後には、

自身を憎み、

自信を嫌悪するようになる。

そんな時こそ相手を愛しなさいと、

神様が言っていた。

しかし、

僕達人間には、

殴りかかってくる奴を愛するなんて出来はしないんだ。

僕達にできること。

それは、

恐らく、

愛を語る前に、

まず、
自分自身を愛することだ。



自分自身すら愛することが出来ない人間が、

どうして他者から愛されよう。

そうさ。

きっと、

そうさ。