日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -9ページ目

現実とは?〜それから今日のメニュー

いつものように、奇妙な夢を見た。

ぼくは夢の中でのどの渇きをいやすため、

水道を探していた。

林の中を裸足でかけずりまわり、

水道を探し当てると、何故か故障していて、

水が出ない。

そんなことを何回か繰り返すと、

ぼくは夢の中で、ある考えに至るのだった。


これって、夢の中でよくあることだよな、と。


夢の中では、よく何かに追いかけられたときに走れなかったり、

尿意を催し、トイレを探せど見つからなかったり。

そのようなことがよく起こる。


そして、

ぼくは、これが夢でないことを、

足の裏の感覚で確認する。

赤茶けた土や、

小さな落ち葉や枝の切れ端などの感覚がリアルすぎて、

ぼくはこれが夢でなく、

現実だと悟る。


されど、

ぼくは眼を覚まして、

それが夢であったことを、認識する。


現実とはなんなんだろう?


脳が五感を通じて認識した世界が現実ならば、

夢は五感に頼らず、脳自体が作り出した感覚なのだから、

入力ソースが異なるだけで、

脳自体は現実として認識しているのではないか?


朝から下らないことを考えながら、

ぼくはバナナを一本と、お茶を飲む。


財布の中身のことは考えないようにしていたが、

食事をするたびに、

死にたい気分になった。


バナナが朝食で、

昼はトーストにハムとレタスを挟んで食った。


夕食は?


それは多分ないだろう。

やりのこしたこと

たった今、

頭上から、

隕石やら、

飛行機やらが降ってきて、

死んじまったら?


心残りはあるか?


ぼくは、いつ死んでも悔いはないし、

きっと死ぬとき、

今までそれなりに楽しかったなって思いながら死ねるとおもっていた。


でもなあ。


ぼくの中で、抑えがたい欲求は、

世界中の、

ぼくを圧倒するような世界を、

自然を、

たくさん観てみたい、ということ。


若い頃の、

世間一般的な、

平穏で、

安泰で、

危険のない、

レールの上を歩むというシナリオを信じていた頃では、

とても感じ得なかったこと。

もしも、

今の気持ちを、若い頃に持って行けたら、

きっと、世界中をバックパックで旅していたと思う。



誰もいないアラスカの氷原でオーロラを観たり、

車でアメリカ大陸を横断したり、

スペインのバルで一服したり、

シルクロードをバイクで走ったり。


昔はそんなこと出来はしないと思い込んでいたけれども、

それは思い過ごしで、

誰だって出来ることなんだよね。

ほんの少しの勇気で。

なぜ、気がつかなかったんだろう?


なぜ飛べなかったんだろう?


ぼくはやるせなさからなのか、

気が向くと一人でキャンプにいく。

それも、

3キロ圏内にはコンビニがあるようなところに。


旅がしたいね。

ひとり気ままに?

それとも、

かわいいあの子と?





このDVDをレンタル屋の棚で観て、

ぼくはおもったんだ。

それをもとに書いたんだけれども。

こころがざわざわと。

若い頃を無為に過ごした後悔と。

若さに嫉妬したいくらいに。


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友人も解雇に

突然の解雇通告だったらしい。

その友人は僕より年下で、

以前、同じ派遣会社に所属し、

同じ職場で働いていたことがあった。

彼は、派遣会社で働く我々ボンクラどもの中でも特に優秀だった。


彼は僕らと一緒に会社を辞めた後、

当然というか、

当たり前というか、

派遣などという、

長く突き出た柱のてっぺんで、

鶴のポーズをとるような、

なんとも不安定な職に就くことを避けようとしていた。

つまり、目指すは正社員の職だ。

がしかし、

彼ほどの人材でも、

正社員雇用の道は開けず、

おそらくは、仕方なく、なのだろう、

またもや派遣社員として働いていた。

通常、社員雇用型の派遣会社は、

客先との期間満了後、次の仕事を探し出して充てがうのだが、

彼の元には、次の派遣先がないので解雇になりますと、

若くて稚拙な女子社員に言い渡されたらしい。


ぼくがある会社の面接を受けた際、

(派遣会社だったが正社員登用ありと唱っていた。つまりえさである)

ぼくはこう質問した。

「正社員になれる可能性というのは、具体的な話ですか」

すると、

担当者はこう応えた。

今はどの会社もこの不況を乗り切るために、

非正規雇用の労働力で乗り切っている。

社員登用制度はあるにはあるが、

それにパスして社員になるには、

相当に優秀でなければならない、と。


つまりは、

こう言っているのだった。


あなたたちは、全員社員にはなれませんよ。


そもそも、

スキルと実績が伴う人材は、

週末の折り込み広告をみて、

こんな会社に面接を受けにくるはずもなかろう。


とんでもない世の中になってしまった。


とにかく、


安く買い叩かれる。

ぼくらの労働力が。

ぼくらの時間が。


誰かさんのおかげで。


ありがとうございました。

おかげで、

船は今にも沈みそうです。