【宇宙戦艦ミソノフィーバー2017
ショック!!生きていたジェット怪獣】
やばい、何かが異次元空間から襲ってくる!!
宇宙世紀3200年、宇宙戦艦ミソノはα星とβ星の間に渦巻く光の銀河に
突入する寸前だった。いきなりの衝撃に艦内がどよめく。
未来セイジが叫ぶ、「ワープ中止!光子力エンジン再点火せよ!」
「ラジャー!」古代ヒカルが目の前のレバーを力強く切り替えた。
再び二度目の衝撃を受け艦内にサイレンが鳴り響く!
「第二・艦橋が・破壊された・模様」艦内ロボットギターライザーの
電子ヴォイスが破損場所を指摘する。
「レーダーには何も映ってません」時代劇トオルも冷静に報告する。
だが突然、それをあざ笑うかのように館内に巨大な怪獣の咆哮が
地の底から響くように鳴り響いた。
「ウギャア~、ジェジェ~ツット~」
未来セイジのサングラスがキラリと光る。
「奴だ!ジェット怪獣だ!」「奴は生きていた!」
あれは1000年前だった。
我々はロックンロールをするのにふさわしい星を見つけるという使命を
帯び、ベガ星雲付近の宇宙を飛ばしていた時、ある星がレーダーに
引っ掛かった。
レーダーの周波数が回転しながら、時折♪のようなマークをはじき出す。
「よし!この星にロックオンしよう!」
未来セイジの指示で、宇宙戦艦ミソノは星の成層圏を突き破り星に降り
立つと、そこは都合良く、太古の地球そっくりな星だった。
目の前に群生する巨大植物の中を分け入りながら、
手には一応光線銃を持つ。
すると突然背後で隊員の悲鳴!「何だ」と振り返ろうとする未来セイジの
頭上に、真っ赤な花が顔を出し、いきなり大きく花びらを広げ、
彼の頭をカポっと加えるように覆い被さった。
「やばい食人植物だ!」
無数の花弁が蛇の舌のように顔をなめ回す。
次々と上がる悲鳴の中「いかん!」とすかさず手に持った光線銃を
当てずっぽうで植物に向け撃った。
「キャー」と覆っていた花が顔を離すと同時にセイジが叫ぶ。
「みんな光線銃でこの植物群を撃て!」
ビビビビビビビビ―――――――――――――――――!
するとどうだろう食人植物がツイストを踊り出した。
「1,2,3,4,5フラワーロック、6,7,8,9,10,フラワーロック!」
何を隠そう光線銃には仕掛けがあり、撃たれた物は何でもロックンロール
化するという必殺の武器であったのだ。
「みんな、踊る葉っぱにうまく乗ってクラウドサーフで
この大地を泳ぎ切るのだ!」
一斉に隊員達は食人植物の上に駈け登り、葉っぱの上に抱かれるように
乗ると、咲き乱れる食人花は遙か彼方まで大地を覆っていて
激しいツイストで揺れていた。
その先には、まるでそこがステージかのように炎噴き出す火山が
立ちはだかり、バックには燃えるような赤が圧倒的迫力で空を染めていた。
「よし!あそこまで行ってまえ!」
未来セイジが叫んだ直後だった。
「どどどどどどどどどど―――――!」いきなり火山の大爆発!
さらにそれに呼応するが如く、巨大な咆吼が空を割るように響いた。
「ウギャア~、ジェ~ット~」
何と火山の中から巨大怪獣が這い出してくるではないか。
「あの鳴き声は、もしや、伝説のジェット怪獣!」
サングラスに燃える空を映し、未来セイジがつぶやいた。
しかし食人花のクラウドサーフはどんどん加速して乗組員達は
火山の方角にどんどん追いやられていった。
このままでは全員、あの怪獣の餌食になるのを待つばかりだ。
そう判断すると、未来セイジ、時代劇トオル、古代ヒカルの
3人は空中高く飛び、3つの空中回転が1つのコイルのようになった時、
ピカッと閃光が走り、爆発と共にイナズマが地上をつきさす。
ブバババギャギャ~ン
白い煙が辺りに立ちこめ、それがだんだん霞のように薄くなっていくと、
なんと、一匹の赤いギターを背中にしょった革ジャンの巨人が現れた。
何を隠そう、ピンチになると3人は合体してロック生命体の巨人、
ギターウルフになるのだ。
「ギチャー!」
「ウギャア~、ジェ~ット~」
火山を真ん中にして対峙する2匹の巨大宇宙生物。
ドッカ~ン火山が再び大爆発を起こした瞬間、2匹は大地を走り
ジャンプ一閃、空中ですれ違う。
シャキーン火花散る金属音。
「ジェジェジェ~ット」向き返ろうとしたジェット怪獣、
しかしそれもむなしく、鳴き声と共にドスンと前傾で倒れ込んだ。
勝負あり。
巨人の手にはギター刀が握られていた。
「君とはなるべく戦いたくなかった」
サイレンが次から次へと艦内に鳴り響く。
「やばいこのままじゃ航行不可能になる」
そう判断した未来セイジが叫ぶ「これより強行ワープに入る!」
あれから1000年、交代で冷凍カプセルの中に入りながらワープを
繰り返してきた。まさか奴が生きていたとは!
「機関室応答せよ、これから強行ワープに入ります。」
古代ヒカルの握るレバーが機関室からの応答を待つ。
そうしている間にも戦艦はどんどん破壊されていく。
奥歯を噛みしめながら未来セイジは思った。
「奴も連れてくることになるが、いたしかたあるまい」
そして遂に、地球の大阪に向かって最後のワープのレバーは
引かれたのであった。
ズギュ―――――――――――ン!
この続きは、12/27の大阪味園ユニバースにて!
https://misono-fever17.tumblr.com/