先日、年明け早々に、自分も属するある会のメンバーの紹介で仕事の打合せに出向いたところ、開口一番に「いやぁ、紹介者の拙速で話が進んでしまったので恐縮なのですが、実は関心ないんですよ」と言われてしまいました。

 そして、やんわりとでしたが紹介者やこの会に関する否定的印象(雰囲気がネットワーキングビジネスに似ている等)を述べられておりました。

 もっとも、自分が感じているその会に対するスタンスや入っている目的等を率直に説明したところ、怪しいところではないことは理解してもらえましたし、すぐにではないものの、いずれ(会は別として)仕事で関わりたいし、そうならなければならないと考えていることもあるようで、少なくとも自分に対しては信用してもらえたようです。


 とはいえ、こちらだって交通費がかかっているのですから、この人が曖昧な態度を示していたために、結果として事実上仕事をしているのに損失が発生してしまった訳です。会に対する批判にしても、おっしゃりたいことはよく理解できるのですが、それは紹介者に対して話すべきことであり、こちらとしてははっきり言ってとばっちりですから、(もちろん実際に仕事になったのなら対応しますが)心情として消極的にならざるを得ません。


 ところで、自営を開始してから依頼者の方に不信感をぶつけられたり、最終的にお断りせざるを得ないケースも少ないながらありましたが、そういう場合を含めても、最終的にはほぼ100%と断言できそうなぐらいに信用はしてもらえております。

 しかしながら、そのことを誇りたいのではなく、逆に必ずしも良い方に向かっていないような気がします。

 信用が得られれば敬意を表してもらい良い関係が築きやすくなるというのが一般論だと思います。しかし、信用という言葉をどのように定義するかにもよりますが、感覚として、「あいつは信用できるから何をやっても刃向って来ないだろう」、「こいつは信用できるから何を言っても聞いてくれるだろう」と言ったような舐められていると思われるケースが少なからずあります。


 こうしてみると、信用されないよりは信用されるに越したことはないのでしょうが、ビジネスで成功をおさめるには信用が最も重要なのかと考えてしまうことがあります。


 逆の立場で、やり手と感じられる人を見ていると、好印象を受けるかムカつくか二者択一で判断した場合、程度の差はありますが大体の場合において、後者の印象を受けます。少なくとも、御自身のことを棚に上げて他人を批判できる傲慢さを共通して持ち合わせているように感じます。はっきり言って人間的に信用できません。

 では、そういう人との関係を断ち切りたいかと言うと、癪ですが、それはできないように思います。というのも、周囲に絶大的な評価をしている方が少なからずおり、断ち切ると直接でないにしても間接的に不利益を被るかも知れないという不安があるからです。

 要は、その人の言うことは(さすがに黒ではダメでしょうが)グレーであっても白と思わなければいけないという、畏敬の念を醸し出しているように感じられます。一方、自分の場合は、白であっても黒を言わされている感があります。


 とはいえ、ビジネスに向かないと言われればそれまででしょうが、自分はそのようにしてまで成功を収めたいとは思いません。

 昨年は貯蓄を切り崩す状態から脱しており、極めて細々とではありますが何とか暮らせる目途は立ってきているとも考えられます。

 いつか正直者が報われる日が来ると信じて自分のスタンスを崩さずに頑張って行きたいと思います。

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