タンの愛犬フンに

お嫁さん候補のメスの子犬が

ミジュの実家から届いたのは

春先のことだった

茶色の毛がふわふわした

とても可愛い

人懐っこい子犬で

子供達は喜んで

その子犬を迎え入れた

 

子供達みんなで名前を考え

ミジュのくれた子犬だから

ミンという名に落ち着いて

いよいよ新郎フンとご対面

 

と いう段になって・・・

なんとも

予想外のことが起きた

 

ミンは

やんちゃで元気のいい

サンの愛犬ジョンとばかり

仲良く遊んで

フンのことは父親か何かと

間違っているようだった

しかも

ジョンもミンが気に入ったようで

二匹はいつもくっついて

過ごすようになってしまった

 

 

あららぁ

フン それでいいの?

フンのお嫁さんだったのに〜?

 

 

タンやサンが心配しても

穏やかで優しい性格のフンは

サンとミンが走り回っているのを

嬉しそうに眺めているだけで

ミンを取り合ったりは

しなかった

 

 

周りがどうこうしても

こればっかりは相性もあるし

ミンがジョンを好きなら

見守るしかないわねぇ

フンの親心も

わかってあげましょう

 

 

ウンスはフンを案じている

タンやサンにそう伝えた

フンは実際

ジョンが子犬の頃から

まるで自分の息子のように

可愛がり面倒を見てきた

だから

自分がお嫁さんをもらうより

ジョンが幸せになる方が

嬉しいのかもしれない

 

それにフンはすでに老犬で

いずれ遺されるジョンの

行く末を心配して

いるのかもしれないし

ミンはまだほんの子犬で

お母さん犬になれるのは

まだ先のことだから

自分より若いジョンの方が

お婿さんとして

ふさわしいと思っているのかも

しれない・・・

 

 

フンがいいなら・・・

ぼくは いいと思う

フンにアッパになって

ほしかったけど

ジョンだってフンの息子

みたいなもんだし

フンに家族が増えることに

ちがいはないんだし

フンもジョンも幸せなら

ぼくはうれしい

 

 

ずっとフンとともに

育ってきたタンの言葉に

家族は誰も

異論を唱えなかった

 

こうして新しく迎えた家族

子犬のミンは

チェ家の一員となり

 

今日も

元気に主人のタンやサン

仲良しジョンと

庭を駆け巡っている

そして少々足取りが

弱々しくなったフンが

楽しそうなみんなを

優しい瞳で眺めながら

日向ぼっこしている

そんな春だった

 

 

一方 

ユニョンのお気に入り

トッキ(兎)のトゥンは 

すっかり足の傷も癒え

よく食べよく眠り

ここの暮らしに慣れて

丸々と肉付きが良くなった

 

 

これなら十分

野生でも生きられそうだな

 

 

アッパがトゥンの回復ぶりに

感心したように言うたび

ユニョンの気持ちは

複雑に揺れた

元気なトゥンを見ていると

アッパとの約束どおり

そのうち

野原に返してあげなくちゃ

とは思うのだが

なかなか決心がつかなかった

 

 

だって狐や他のケモノに

食べられちゃうかも

しれないでしょう?

 

 

ユニョンが言い訳がましく

イサに言うと

 

 

そうだな

丸々しているもんなぁ

すぐ食われそうだ

 

 

「うまそうだ」とは

もう言わなくなったが

多少からかい口調で

イサは大きく頷き

ユニョンの心に揺さぶりを

かける

 

 

だけど別れるなら

早い方がいいんじゃないか?

これ以上 情が移ったら

本当にトゥンを

手放せなくなるぞ

 

 

でも

まだこのままがいい

トゥンとはなれるなんて

かんがえたくないんだもの

どおして大好きなのに

お別れしなくちゃ

いけないの?

 

 

そうだな〜でも

大好きだから

相手のことを思って

手放してやるっていう

選択もあるんじゃないか?

ここで一生を終えるより

広い野原で仲間と

楽しく暮らす方が

トゥンは

嬉しいかもしれないだろ

 

 

イサが真面目にそう言うと

急にユニョンは泣き出した

 

 

ん?どした?どした?

姫??なぜ泣く?

 

 

慌てたイサは

ユニョンを覗き込んで

頭を撫で始めた

 

 

トゥンはここにいたいかも

しれないじゃない?

どおしてトゥンの気持ちが

イサにわかるの?

手放されたトゥンが

悲しむかもって思わないの?

 

 

ユニョンはイサの腹を

どんどん叩きながら

抗議をしている

 

 

ごめん

泣かせるつもりは

なかったのに・・・

言葉足らずで・・・

ごめんな ユニョン姫

 

 

イサはユニョンの涙に

とても弱い

そして

ユニョンが

泣いているわけも

怒っているわけも

イサには察しがついていた

 

これ以上 ユニョンに

深入りしてはいけないと

イサは心の底で思っていた

ユニョンにも

もちろん他の子供たちにも

幸せになって欲しいと願う

イサのその気持ちに偽りはないが

遠回しに

ユニョンに大事な人を

手放す意味を伝えようとして

トゥンを引き合いに出したのだ

 

 

イサったら 

いくらユニョンのためを

思っても

こんな風に

泣かせちゃダメじゃない

素直じゃないなぁ

 

 

二人のやりとりを聞いていた

ウンスにやんわりと諭され

イサは肩をすくめた

 

本当はイサも

とっくにわかっていた

眩しいくらいまっすぐに

自分の思いをぶつけてくる

ユニョンのことを

自分がどれほど

愛しいと思っているのか

ユニョンの愛情表現に

どれほど自分が助けられ

癒されているのか

 

だけど

それを認めてしまうと

もうこの場所にはいられない

だから

気楽な兄の立ち位置で

ユニョンを守ることに

決めている

 

 

いつかトゥンを

手放す決心をするみたいに

いずれオレからも

ユニョンは

離れていくのだろうか・・・

ああ そうか

トゥンとオレは

同士みたいなもんなのか?

 

 

まん丸な目で

じっとあたりを見つめる

白いトッキ

そのふわふわした

柔らかな感じが

イサには

ユニョンに重なって

見えた

 

 

桜桜桜桜桜桜桜桜桜

 

 

 

本編の流れの中で

書き残した動物シリーズ

フンとジョンとミン

そしてトゥンの話でした

ミンをフンのお嫁さんに

と思ったのですが

話を書いているうちに

なんと

ジョンのところへお嫁入り〜

優しいフンらしい身の引き方?

フンは主人タン一筋なのかも

しれませぬ〜

ミジュや〜ミアネヨ〜

 

トゥンは野原に返されずに

まだしばらく?

お屋敷にいるようですね

 

 

さてさて

リアルな自然現象

太陽フレアがニュースに

なっておりますが・・・

太陽フレアといえば

あの時空を超える門が開いて

高麗と現代が繋がる!

と シンイのドラマを

思い出しながら

妄想しておりました 笑笑

 

 

そしてそして

昨日はミノssiのデビュー18年

アニバーサリーでした

昨日のうちに更新しようと

思っていたのですが

お祝いが

一日遅れてしまいしました

ミノssiがヨンを演じたのが

もう十二年も前なのですね〜

ああ 時の経つのはなんと早い

ことでしょう

変わらずピカピカに輝いている

ミノssi

デビュー18周年おめでとう

ございます

 

 

またおつきあいくださいませ

 

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